Section 2 : 色を変えてみる

 CSS の属性とその使い方を身につけよう。まずは,見た目に効果てきめん,“色”を変える方法から。

color 属性

 これは先ほどの例でもうお目にかけてしまったのだが,改めて紹介しよう。

 color 属性は色を決めるものである。どんな要素にでも適用される。文字だけとは限らない。

color: (色);

 ひとつめの例として,“強調”を表す <EM> を“緑色”にしてみよう。

<P>文章中の<EM STYLE="color: green;">強調が緑色</EM>で書かれます。</P>

 結果は,先ほど(Section 1)の例と同じように,容易に想像できる。

文章中の強調が緑色で書かれます。

 文字以外に作用させる例としては,水平線 <HR> の色を指定するというのがある。

<P>下の水平線を青にします。</P>
<HR STYLE="color: blue;">

下の水平線を青にします。


 color 属性で色を指定するときは,見にくい色にならないように気をつけよう。

color 属性のとりうる値

 いままでは color 属性の値に“色の名前”を入れてきた。色の名前を指定するのは直観的でわかりやすいが,次のようなデメリットがあることを忘れてはならない。

 実際,CSS の規格によれば,色の名前として少なくともサポートしておかなければならないのは次の 16 色である。

HTML 4.0 で定義された色名(VGA 16色)
色名16進換算値 色名16進換算値
red#FF0000 maroon#800000
yellow#FFFF00 olive#808000
lime#00FF00 green#008000
aqua#00FFFF teal#008080
blue#0000FF navy#000080
fuchsia#FF00FF purple#800080
white#FFFFFF black#000000
silver#C0C0C0 gray#808080

 世の中に出回っているブラウザはもっとたくさんの色を“知っている”。しかし,もし,指定した色を“知らない”ブラウザで閲覧された場合,どのような色になるかはわからない。したがって,上記以外の色は,次以降にあげる方法での指定が安全である。

■ 16 進数 6 けたで指定

 これは,以前の HTML を知っている人にはおなじみである。光の三原色(赤・緑・青)の強さをそれぞれ 256 段階で指定する。このとき,それぞれの要素は 00〜FF の 16進数にして,#rrggbb のように並べて指定する。理論的には 256³=16,777,216 色が指定できるが,環境によりそれより少ない色しか再現できない場合もある。

 たとえば #000000 は黒,#FFFFFF は白,#FF0000 は赤,#00FF00 は緑,#0000FF は青である。

■ 16 進数 3 けたで指定

 この方法は先ほど 6 けたで指定していたものを簡略化したもので,光の三原色の要素はそれぞれ 0〜F の 16 段階でもって指定する。表現できる色の数は 16³=4,096 色となる。

 6 けたで指定する場合との関係は,#rgb と指定したものは #rrggbb と同じになる。すなわち,#F00 は #FF0000,#369 は #336699 とそれぞれ同じ色を表すことになる。

■ 256 段階で要素を並べる

 この方法では,先ほどから何度も出てきた光の三原色の要素をそれぞれそのまま指定する。この場合の書式は,次のようになる。

rgb(r, g, b)

 r,g,b に入るのはそれぞれの要素を 0〜255 の 256 段階で表した数値である。これは 10 進数で書く。

 たとえば,rgb(255, 0, 0) は赤を表す。

 CSS2 では,各要素の範囲は必ずしも 0〜255 とは限らないとなっている。ただし,次項における“100%”は CSS2 でも 255 に対応する。

■ 要素を百分率で指定する

 先ほどの場合は要素を 256 段階で記述したが,これは最大(=255)を 100.0% とした百分率である。値には各要素ごとに 0.0%〜100.0% をとることができる。このとき,パーセント記号「%」を忘れないように注意しよう。

 たとえば,黄色は rgb(100.0%, 100.0%, 0.0%) と表すことができる。

 以上の 4 つの方法で(色名を使わず)直接色を指定することができる。さしあたっては,どれかひとつを覚えておけばよいだろう。