観音山古墳(綿貫)

かんのんやまこふん(わたぬき)



所在地:群馬県高崎市綿貫町
形式:前方後円墳
大きさ:墳長100m,前方部幅59m,前方部高さ9.4m,後円部径56m,後円部高さ9.6m[1];墳長97m[2]
築造年代:6世紀末[1],[3]

綿貫古墳群中の前方後円墳のうち、最も新しい時代のものである[3]。
主体部は角閃石安山岩を側壁に、牛伏砂岩を天井石に用いた横穴式石室[3]である。
周囲は史跡公園になっており、墳丘や石室は発掘調査後修復されている。この修復の詳細は、文献[3]参照。
石室内が盗掘されていないので、副葬品がそのまま出土した[3]。装飾品や武具・馬具の他、金銅製の水瓶が有名である。
国指定史跡。
なお、書籍などで、墳丘上に埴輪列の一部が複製品により復元されている写真を見かけることがあるが、現在は埴輪列の複製品は無い。整備事業に携わった方にある講演会で伺った話では、2度試みたが2度とも破壊されてしまったので埴輪列の復元展示は断念したそうである。

●見学するには...

史跡公園として良く整備されているので、見学しやすい。墳丘上に容易に登ることができるようにしてある。但し、石室内に入ってみるにはあらかじめ管理者の許可を得ておく必要がある。

徒歩10分ほどのところにある「群馬の森」に群馬県立歴史博物館があり、この古墳からの出土品や石室内の実物大再現模型が展示されている。
まずここを見学してから、近くの不動山古墳とあわせて見学するのが良い。
残念ながら、すぐ近くまで来ている公共交通機関はバスしかない(しかも運行本数は時間帯にもよるがあまり多くない)。鉄道の最寄り駅はJR高崎線の倉賀野駅またはJR八高線の北藤岡駅だが、バスを利用するならJR高崎線の高崎駅の方が利用しやすい。



南西から見た全景

北から見た全景

石室入口

石室内部
カラー写真の右の白黒写真で、白丸を付けたものが、奥壁の石のうち、修復の際に新しいものに交換された石である。
なお、ここには示していないが、側壁の石もかなり交換されている。
天井石は、両端に鉄筋コンクリートを付加して補強したり、破断の修復を行ったりされているものはあるが、当初の石が使われている。
(修復については、文献[3]による。)

後円部から見た前方部

前方部から見た後円部



後円部上から見下ろした周囲(スチル写真をMPEG形式の動画としてまとめたもの)
(撮影日は1995年6月5日)

一周して見た墳丘(スチル写真をMPEG形式の動画としてまとめたもの)
(撮影日は1997年1月18日)



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文献

[1]日本古墳大辞典
[2]高崎の文化財
[3]史跡 観音山古墳 −保存修理事業報告書−