Let's begin XHTML―さあ始めよう XHTML

Section 4:XHTML の編集

 ここまで,XHTML という文書の書き方について述べてきたが,ここでは,実際に PC またはワークステーション上でファイルとして作成する方法について見てみよう。

編集に利用するソフトウェア

 WWW ページの作成方法は,今やさまざまであるが,ここでは,テキストであるページソースを直接編集する方法で話を進める。

マークアップを色分けするエディタで XHTML を編集。
図 4.1 [D]

 XHTML の編集には,テキストエディタがあればよい。Introduction で述べたように,OS に標準的に付属するテキストエディタでもじゅうぶんであるが,マークアップ部分を色分け可能なエディタを使用すると便利であろう。また,WWW ページ編集に特化した“タグ挿入型エディタ”も選択肢としてあるが,XHTML を編集する際にはそれに対応しているかどうか(XHTML の規則に従って文書作成支援ができるか)を調べておく必要がある。こういったエディタはオンラインソフトを中心に優れたものがあるので,お気に入りのエディタを見つけて編集に使用するとよいだろう。

 WWW ページでは,ページに埋め込まれたりする画像などは,原則的に別のファイルとして用意する。画像は画像作成・処理ソフトウェアが必要である。その他のファイルに対しても作成・編集ソフトウェアによってファイルを作成する。

 WWW ページに付随するデータでも,テキストベースであればテキストエディタでの編集が可能である。たとえば,図形を記述する SVG は XML ベースであり,テキストエディタでの編集が可能である(ただし,(2005 年 5 月)現在,SVG の閲覧にはプラグインが必要;Mozilla は SVG の閲覧機能を組み込み中)。

 テキストエディタで XHTML 文書を作成する場合には,保存時の文字エンコーディングを確認しておく必要がある。Section 3 で述べたように,XML 宣言にそれを明示するためである。エディタには,文字エンコーディングを指定して保存する機能を持つものもある。

XHTML ファイルの作成と保存

 XHTML を作成したら,それを保存する。ファイル名は,半角の英数字でつけるのが無難である。

 主に Windows では,ファイルの種類を表すのに拡張子を使用するが,XHTML については,一般に,従来の HTML 同様“.html”(または“.htm”)とするか,“.xhtml”とする。さらには,XML 文書として“.xml”とすることも可能である。(2005 年 5 月)現在,拡張子を“.xhtml”または“.xml”とすると正常に閲覧できないことが多いので,当面は“.html”(または“.htm”)としておくのが無難であろう。

 厳密には,HTML にせよ XHTML にせよ,拡張子をこのようにつけなければならないというわけではない。ただ,編集・運用のしやすさから,適切な拡張子をつける習慣があればよいということである。

 Windows の初期設定では,登録された拡張子を表示しない。拡張子を表示させるには,フォルダを開いた状態で,[ツール]メニューの[フォルダ オプション...]より,“表示”タブから,“登録されているファイルの拡張子は表示しない”の項目のチェックを外す。

 筆者の確認したところでは,Internet Explorer 6 は,拡張子“.xhtml”または“.xml”の XHTML 文書を正しく処理しない。

 実際にこの手順を確認してみよう。

 以下に,簡単な XHTML 文書を用意した。これをコピー,お使いのテキストエディタに貼り付けてみていただきたい。ただし,文字エンコーディングは,適切に指定し直されたい。

<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml11/DTD/xhtml11.dtd">

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
<head>
<title>An XHTML test file</title>
</head>
<body>
<h1>批判と罵倒</h1>
<p> 言論は自由だ。だから,批判は大いに結構だ。だが,批判を騙って罵倒するのは,卑怯である。</p>
<p> 論客を気取り,批判の名を借りて,相手の人間性を否定し,罵倒する。相手がその虚しさに無視を決め込めば,反論なきにつき正論だと勝ち誇る。はたしてこれを,批判というか。これを行う人間を,論客と呼べるか。</p>
</body>
</html>

これを,適切なファイル名をつけて(拡張子も適切につけ),保存する。これを,ブラウザで表示させて確認されたい。

 Windows で,既存の XHTML ファイルを開いて編集しようとするときに,ファイル一覧にファイルが表示されないことがある。このときは,“ファイルの種類”を“すべてのファイル”に指定することで,フォルダ内のすべてのファイルがリストされる。

XHTML ファイルの検証と公開

 作成した XHTML は,公開する前に正しいものであるかチェックしてから公開するように心がけたい。WWW 上では,W3C の検証サービスを利用して,記述に誤りがないかを検証することができる。ローカルコンピュータで簡易にチェックを行うのに,ブラウザ内蔵の XML 処理系を使用する方法もある。Netscape 6 または一般的なインストールを行った Internet Explorer 5 以降では(MSXML が導入されている),拡張子が“.xml”のファイルに対してタグの対応関係などをチェックし,誤りがある場合は報告する(つまり,XHTML ファイルの拡張子を“.xml”と変更し,ブラウザに読み込ませてみるということである)。

 筆者の確認したところでは,(2005 年 5 月)現在,Internet Explorer 付属の XML 処理系にはバグがあり,XHTML 1.1 文書を正しくチェックできない。

 WWW ページの公開は,環境ごとにその方法は異なる。プロバイダと契約されている方は,用意された領域に FTP を使用してファイルをコピーすると公開されるのが一般的である。企業・大学などでは,指定されたフォルダにファイルをコピーすることで公開される環境が多い。詳細は,それぞれの環境での説明書を参照するか,管理者に問い合わせられたい。