このページをご覧になっている方に,もはや WWW(Web,ウェブ)の説明は必要あるまい。WWW ページ(Web ページ,ウェブページ)も言うまでもないだろう。読者諸氏におかれての問題は,その WWW ページをどのように作成するかであろう。
では,WWW ページ作成にあたって何が必要なのだろうか。一般に WWW ページは,核となるテキストベースの文書と,それに付随する画像,場合によっては音声,動画,Java アプレット,Flash アニメーションなどからなる。付随する素材は,一般にそれぞれ編集ソフトウェアまたは開発環境が必要である。ここで話題にするのは,“核となるテキストベースの文書”である。
このテキストベースの情報は,一般に HTML(HyperText Markup Language)と呼ばれる言語で書かれている。この HTML を,それを意識させずに編集することも(WWW ページ作成ソフトウェアを使用することで)可能であるが,実際,この HTML というものは,Windows のメモ帳,Mac OS の SimpleText・テキストエディット,Linux/UNIX の emacs・mule などで編集可能なテキストファイルである。ご覧のこのページも,結局は,ある“きまり”に従って,コンピュータが処理するための符号がテキストの中に文字として書き込まれているものである。この“きまり”を知れば,テキストエディタで WWW ページが作成できるようになる。
ところで,XML ということばを耳にされたことはあるだろうか。XML は,主にインターネット上で文書・データの交換を行うためのデータの記述のしかたである。XML の標準としての地位の確立を背景にして,HTML は XML の枠組みの中で作り直された。これが本チュートリアルで扱う XHTML(Extensible HyperText Markup Language) である。特に,ここでは,XHTML 1.1 というバージョンを扱う。
この“Let's begin XHTML”では,XHTML の基本的な考え方を説明し,簡単な文書作成のための書き方を見てみよう。まずは,XHTML を使って WWW ページが作成できることを知り,その基本的なスキルを身に付けていただきたい。発展的な考え方や詳細な書き方は,このあとのチュートリアルで解説することにする。
さあ,まずは基礎の基礎から,XHTML を始めよう。
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
”と出力されるが,これは XML の処理符号が誤って出力されたもので,内容に問題はない。“Academic HTML::XHTML 1.1”は,2001 年 5 月に WWW の標準化団体 W3C より勧告された“XHTML 1.1 - Module-based XHTML”に準拠している。本チュートリアルは,XHTML 1.1 で書かれている。また,本チュートリアルでは,従来の HTML(HTML 4)との互換性を考慮して解説する。