Section 15 で,スタイルシートの概要について説明した。ここでは,スタイルシート,特に CSS で書かれたものを XHTML 文書に適用させる方法を説明する。
ここでは,CSS で書かれたスタイルシートを XHTML に適用させる方法を 3 つほど紹介する。
link
要素で取り込む CSS では,前記のような構造に対する表現のしかたを記述したものを,ファイルとして用意することができる。これは,link
要素によって取り込み,適用させる。このときの書式は次のようになる。
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="
URI" />
ここで,rel
属性には“stylesheet
”,type
属性には CSS のメディアタイプ(MIME タイプ)である“text/css
”を与える。href
属性には,CSS によるファイルの URI を指定する。
たとえば,同じディレクトリにあるファイル“style.css
”(一般に,CSS によるファイルは拡張子“.css
”を伴う)を適用させるときは,
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="style.css" />
のように書く。link
要素は head
要素の内容としてしか出現しないことに注意されたい。
この方法では,スタイルシートのファイルを複数の XHTML 文書から参照することで,Section 15 で述べた“複数の文書に統一したスタイルを適用させる”ことが容易にできる。CSS を利用してサイトを構築する場合には,この方法をお勧めする。
ちなみに,出力メディアによって適用するスタイルを変える方法などもある。これは Hop step XHTML の Section 23 で説明する。
style
要素として埋め込む CSS によるスタイルシートは,XHTML 中に埋め込むこともできる。そのために,style
要素を使用する。style
要素は,head
要素の内容として出現する要素である。CSS を style
要素に記述するには,次のような書式で用いる。
<style type="text/css">
...</style>
style
要素には,記述するスタイルシート言語のメディアタイプ(MIME タイプ)を与える,必須の type
属性があり,CSS の場合この値は“text/css
”とする。
たとえば,前の Section で掲げた CSS の記述であれば,
<style type="text/css">
h1 { font-size: 200%; text-align: center; color: #900; }
p { line-height: 150%; margin-left: 10%; }
</style>
と書けばよい。
この方法でも,メディアによって適用するスタイルを変更させられる。方法については Hop step XHTML の Section 24 で説明するする。
HTML では,style
要素の内容が,未対応ブラウザで誤って表示されてしまわないために,それを“<!--
”と“-->
”でくくって,コメントとして記述することが多かったが,XHTML では,style
要素の内容をコメントとしてはならない。本当にコメントとしてみなされ読み飛ばされてしまう。
style
属性に書き込む この方法は,前記の 2 つに比べると大きく異なっている。XHTML の要素のほとんどには,style
属性があり,体裁に関する指定を書き込むことができる(前目の style
要素とは異なるものである)。CSS の場合には,その要素に適用するべき宣言(表現の要因を表すプロパティとそれに対する値の組)を書き込む。たとえば,
<h1 style="font-size: 200%; text-align: center; color: #900;">無益な争い</h1>
では,上記の要素にのみ style
属性の値とした CSS の記述が適用される。
このように,style
属性を使用する方法は,それを指定した要素にのみしか体裁の指定がなされない。これは,特定の部分に例外的な体裁を指定するのに有効な方法ではあるが,文書全体に渡ってこの方法を用いるのは,XHTML の中に(メディアに依存してしまうような)表現に関する記述が混じってしまうという点で好ましくなく,何よりも煩雑である。さらに,この書き方は,XHTML 1.1 では推奨されない。