-- TOMITA Sound -- |
-- TEZUKA World -- (※TEZUKA OSAMU @ WORLDより引用) |
- パピプペ親父
1972年デビュー、パプペポ親父とも言う。トミタがモーグを駆使して喋らせようと作成した、音声合成装置「パ行回路」を通した人の声に似た音色。「イーハトーヴ交響曲」(2012年)で起用した「初音ミク」(2007年デビュー)の親父的な存在で「ボーカロイドの始祖」とも言われている。冨田氏も少々手を焼いているキャラクター。最初は手塚治虫氏の漫画によく出てくる「ヒョウタンツギ」のようなつもりで作ったのであるが、あちらは控えめで上から何かが崩れてきたような時などに、最後にポコンと遠慮がちに落ちてきたりする程度であるが、「パプペポ親父」は、結構目立ちたがりやで、スタンド・プレイがお得意。しかし、このオッサンに一旦お引き取り願って聴いてみると、いざ居なくなると不思議にも何とも寂しいのはなぜでしょうか・・・。
- ラブ・ミー・テンダー(スイッチト・オン・ヒット& ロック)
- ゴリウォーグのケークウォーク(月の光)
- チュイルリーの庭(展覧会の絵)
- 電気仕掛けの兵隊の行進(バッハ・ファンタジー)
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- ヒゲオヤジ
「彼は神田の生まれで、若禿、若白髪で、粋な私立探偵としてよく登場し、事実、ぼくの作品のなかではいちばんの古顔である。だが、本当は、彼は大阪伊丹の生まれで、しかもぼくのオリジナルではない」 と、手塚治虫が『ぼくはマンガ家』の中で自ら告白しているように、この手塚マンガに欠かせない名物キャラクターはじつは、中学校時代の友人が落書きした彼のおじいさんの似顔絵でした。その似顔絵を拝借して『オヤジ探偵』を描いた時から。このキャラクターは手塚マンガの世界で生命を持ったのです。短気でガラッぱち。それでいて人情に厚く、正義感に燃えている。そんな決して格好良くない中年男の心意気を演じ続ける彼は、探偵役にととまらず、寿司屋の大将や息子との信頼関係を取り戻そうと必死になる父親、プライドの高いスリなど、数々の作品で名演技を披露してくれます。『緑の猫』では、髪黒々の若い姿を見ることが出来ます。
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- 口笛吹き
いろんな人がシンセで口笛を作りますが、どれも今ひとつ。その点、冨田氏の作る口笛は天下一品です。ホワイト・ノイズを発振させた元となる音は、適度にノイズ感が残り息を吹く感じが出ています。複数のエンベロープ・ジェネレーターを駆使し、吹き始めの不安定な感じや少し遅れてから効果のかかるビブラート、滑らかなボルタメントなど、本物よりも本物らしい口笛に仕上げています。その上、エコー処理のうまさも手伝って宇宙的な感じを表現することも可能にしているのです。
- アラベスク第1番(月の光)
- 古城(展覧会の絵)
- スター・ウォーズのテーマ(宇宙幻想)
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- ヒョウタンツギ
マニアにとっては手塚漫画最大のスターでしょう。妹さんのイタズラ描きから誕生し、画面に常に突然現われる、わけのわからない一種のギャグ生物。赤塚不二夫氏のケムンパスや谷岡ヤスジ氏のムジドリ、音楽では冨田勲氏の独特の音色である "パプペポ親父" などに影響を与えたのかもしれません。そんな意味でも日本漫画史上に残る貴重なキャラクターだと言えるでしょう。彼が主役を演じた作品が、じつはマンガではなく小説のほうにありますので、興味がおありでしたらお読みになってみてください。
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- 少女のハミング
このハミングの手法はちょっと難しいぞ。と、冨田氏はおっしゃっています。でも、あえてやり方は教えてくれませんので、自分で工夫して創ってみましょう。筆者の解釈では、テルミンの奏法にヒントが隠されているのではと考えています。ハミングの微妙な音程変化は、ドレミでは表現できません。また、音程や強弱によって音色(声質)も変化します。ハミングを一本の曲線と捉え、ピッチベンド情報をうまく用いればそれなりに表現できるのでは・・・。
- 亜麻色の髪の乙女(月の光)
- 金星(惑星)
- 美女と野獣の対話(ダフニスとクロエ)
- アヴェ・マリア(バッハ・ファンタジー)
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- お茶の水博士
『鉄腕アトム』シリーズにおける、アトムの科学的な後見人。大きな鼻は、描いているときペンがすべったからとか・・・。アトムシリーズでは常にアトムを庇護する父親変わりの存在として数々の名演技を披露としていました。アトムに「人間の心」を説き、「正義とは何か」を教える名教育者でもあります。オッチョコチョイで涙もろいお人よし、数々の大発明をしながらも、すぐに盗まれて(本人が誘拐されることもたびたび)悪用されそうになってしまう、という部分は「ハリウッド映画の描く天才科学者」に近い個性です。そう『うっかり博士の大発明フラバー』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな感じですね。
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