庵野監督の私小説として読み解くエヴァ updated 2000. 8.12


 エヴァを庵野監督の私小説として読み解くこともできる。これを推し進めると、 『エヴァは庵野監督のただの自分勝手な妄想だった』などという ミもフタもない 解釈も成立する。成立するがそれは何も生まない悲しい解釈だろう。

 エヴァが庵野監督の私小説的要素を持つことに関しては いろいろな意見がある。その端的なものが、25,26話に対して「自己 啓発セミナーだ」との主張や、映画版に対して「悪意をまきちらすだけの作品」と 評されている点である。確かに25,26話での監督の暴走が、せっかくの作品を 台なしにしている点は否めない。

 しかし、この私小説性があるからこその前半ではないだろうか? だからこそ 何かを期待して、我々はエヴァを見たのではないだろうか。
 私は、別インデックスで「 エヴァの誤解きを目指した補完小説 」をアップして いるが、はからずして、それはエヴァから庵野監暫の私小説性を排除すると どうなるか? という作品となっている。 もしよければ、見ていただきたい。


 さて、私小説として読み解くための指針として重要な ポイントが「シンジ・ゲンドウ・加持」と、「レイ・ユイ・ミサト」の 三身一体説である。前者が庵野監督自身を示し、後者が母親を表わしていると 考えることができる。

 シンジは視聴者を示すと同時に監督自身の姿でもある。インタビューでも 「シンジは退行した自分だ」などと答えているらしい。
 一方、ゲンドウはある程度理想化された今の自分である。まんま そっくり説が主流。
 加持はむずかしく考える人もいるかもしれないが、素直に大学時代とかの 若い時の監督と考えると自然だろう。加持がシンジを説教している姿は 「あのときの自分にこう言えたら」という感じが見え隠れする。


 レイはユイのクローンかそれに相当するモノであることは疑い得ない。 一方、ユイはレイとともに母性の象徴というところまで昇華されてしまった。
 ミサトは、加持の恋人であると同時に前半での シンジの母親役を任されている。映画版での「結局シンジ君の母親には なれなかったわね」は、それを反映している。しかし現実に母親であったか どうかは疑わしい。むしろ勝手に人を自分の子供扱いする「勝手に もり上がり女」だったのではあるまいか。


映画版26話冒頭に次のようなテロップがある。

このシャシンを再び終局へと導いて下さった        
スタッフ、キャスト、そして、5人の女性に
心から感謝いたします。
ありがとうございました。

ここに現われる5人の女性とは何だろうか? 私小説と考え得るならば その5人がエヴァに現われている可能性が高い。その5人を予想して みよう。なお、この解釈は多分に僕の勝手な妄想が入っているので真実とは 大きく異なることも十分ありえることを注記しておく。



学生時代あこがれであった女性。今も忘れられないでいる
赤木リツコ

TV放映時点で唯一のゲンドウの理解者(冬月が理解者なのでは? と考える人もいるだろうが それは後付けの仕様ではあるまいか。エヴァ企画書にもそう書かれている)である。

 シンジに至っては特にエピソードなく、いつのまにか名前で 呼び合う関係となっている。

 加持のエピソード同様、当時の恋人に紹介され、恋人よりも 彼女に心が移りかけたが、彼女が「あなたのこと好きだけど 恋人の方を大事にしてあげて」などと言われたために、監督はつき合うことは できなかったと思われる。今でも思いがあるのなら、もう一度 アタックして、それでもダメなら早く忘れた方がいい。


自分の中にある理想の母親。あまりに理想的なので現実には存在しないかも
綾波レイ = 碇ユイ

名前の考察でもわかるように、エヴァのもともとのハッピーエンドは 父親の呪縛から離れて、恋人レイを得るストーリーであると思われる。

 だが映画版では、とうとう神となってしまったことからすると、現実には 存在しない女性であるかもしれない。


セックスフレンド。学生時代からの腐れ縁、実は風俗嬢かも。彼女はべタぼれ しているが、監督自身はイマイチと思っている
葛城ミサト

TVの中ではセックスフレンドの意味はあまり明されなかったが、それは彼女の 思いに監督自身がうんざりしているからではあるまいか。クィックジャパンの インタビユーでは途中でミサトからアス力に心が移ったといったことが 書かれている。

 もしかして風俗嬢かもしれず、外聞もある身としては大変かも しれないが、愛してくれる女性を選んだ方がいいのではないかと思う。


若くて元気な女性。その元気を分けてもらいたいのかも。監督は強く 思いを寄せるが、彼女は嫌がっている
惣流アスカ

監督が「みやむー」こと声優の宮村優子に はまったことは有名な話。どこが良かったのか知らないが「元気を分けて もらいたい」という理由ならば、やめた方がいい。なお、みやむーはエヴァ後 監督から逃げるかのごとく結婚している。

声優さんの結婚事情 によると、既に離婚しているらしい

ガイナでの後輩で庵野氏を師匠とあがめる。かわいい後輩と思いつつも、監督 自身としては彼女に愛される資格などないと思っている
伊吹マヤ

どっちを向いても、心がボロボロなエヴァキャラクターの中で、唯一、まともに 描かれた女性である。#13でのリツコとのやりとりが印象的。あれを 同時に監督からの彼女への助言と考えた方がいいのではないだろうか。

 たぶん彼女は庵野監督を慕っているのだろう。でもそれは恋愛感情ではない こともまた監督は気がついているに違いない。彼女のためを思うのなら、一時の 感情に流されないように注意した方がいい





最後に、エヴァ関係怪文書の一節をコピーしておく。

映画版でリリス綾波の首に亀裂が入るときに、瞬間的に入るモノの素材だと 思う。どこかで「オナニー野郎」とか庵野監督をぼろぼろけなしている 別バージョンを見た記憶があり、それが本当の素材かもしれない。

エヴァ怪文書リンク ムネカタさんによる「マニアの受難」内
hasさんによる「夏エヴァ情報」内
エヴァとはあまり関係のない 「怪文書保存館」内

・庵野秀明 vol.2 〜初恋の人の正体とは?〜
 ここで一つ面白い話がある。何かのアニメ雑誌で庵野が「葛城ミサトは一部僕の 初恋の人がモデル」みたいな事を言っていたが、誰の事だか知ってるかい? 「ふしぎの海のナディア」でジャンの声優をやっていた日高のりこの事なんだ(笑)。 庵野はTV版「ナディア」の打ち上げの時、日高のりこに告白したのだ。これは 業界では有名な話。本人曰「憧れではなく、真剣に恋愛感情の対象として見て いました!」だそうだ(爆笑)。何しろ結婚も本気で考えていたそうだからな。
 だが、当の日高のりこに「私はアニメ業界の方と結婚する気はありません」と 断られる。 おや? でも彼女は今ではアニメ関係のプロデューサーと結婚して いたよね(爆笑)。それでも諦め切れない庵野は「じゃぁ私の次の作品を見て下さい。 それから決めて下さい」と言ったのだ。既に結婚している日高のりこに、不倫まで ほのめかして、である(笑)。それで作られたのが「エヴァンゲリオン」なのだから ・・・・ある種ストーカー的な怨念のこもった作品かもしれない(笑)。
 勿論「三石琴乃(葛城ミサトの声優)のイメージである」みたいな話もしていたが これも後付けだ。声優が決まってからの事だからな、この辺は。しかし「ガサツな 女のイメージでやって下さい、だから三石さんの普段のままで(笑)」ってのも凄い 発言だよな。これを聞いたスタッフ達も、彼女のファンが恐いぞ、とか言う前に 自分はどうなんだ? と言いたくなる人間が沢山居た(笑)。

 

つっこみ:
キャラの設定で 「ミサトをセーラームーンのうさぎちゃんみたいにして みたら本当に声の出演を(うさぎ役だった)三石さんにしたから驚いた」 というエピソードもあるので、後付けと決めつけるのはどうかと思う


 日高のりこや三石琴乃の名誉の為に言うワケでもありませんが、彼女達はあの 葛城ミサトのような人物とは似ても似つかない人達なので念のため(笑)。ミサトと シンジのドラマは全て、庵野の「初恋の人との想い出」ではなく、彼の「楽しかった 妄想の中での彼女達との生活」である。所詮アニメオタクの考える妄想なんてあの 程度のものなのか、ちょっと女性がダメ人間を構ってくれ過ぎ(笑)。現実はそんなに 甘くなかったでしょう庵野さん?(爆笑)

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