'**'とは、大きな修正があることを示す


[タイトル]シト新生


*第2発令所

発令所に警報音が鳴り響いている
側面のモニターが赤い「EMERGENCY」の表示で埋め尽くされていく
オ ペ:外部線と音信不通
オ ペ:公安より...

慌ただしくオペレータの声が飛び交っている
受話器を手に指示を出している冬月
冬 月:左は青の非常通信に切り替えろ
    衛星を開いてもかまわん
    そうだ!
    右の状況は?
オ ペ:外部との全ネット、情報回線が一方的に遮断されています

モニターに映し出された回線網が次々と消失していく
冬 月:敵はMAGI(オリジナル)か?
注:ネットワークが内側から遮断されていると思ったのだ

受話器を置く冬月
青 葉:全ての外部端末からデータ侵入、
    MAGIへのハッキングを目指しています
冬 月:やはりな、
    侵入者は松代のMAGI2号か?

コンソールを見て青葉
青 葉:いえ、少なくともMAGIタイプ、5
    ドイツと中国、アメリカからの侵入が確認できます
冬 月:ゼーレは総力を挙げているな、
    彼我兵力差は1対5、分が悪いぞ
オ ペ:第4防壁、突破されました
日 向:主データベース、閉鎖
    だめです!侵攻をカットできません!
マ ヤ:さらに外郭部侵入、
    予備回路も阻止不能です!
冬 月:まずいな、MAGIの占拠は本部のそれと同義だからな

横目で司令席のゲンドウを見る冬月


*独房

ア ナ:総員第一種警戒態勢
    繰り返す、総員第一種警戒態勢

暗い独房の中、シャツ一枚でうつむいてベッドに腰掛けているリツコ
ドアが開き、部屋の中が明るくなる
ア ナ:(OFF)D級勤務者は火急的速やかに所定の配置に就いてください

ドアのところに立っている諜報部員と思われるネルフスタッフ
リツコ:分かってるわ
    MAGIの自律防御でしょ
スタッフ:はい、
    詳しくは第2発令所の、伊吹二尉からどうぞ
リツコ:必要となったら捨てた女でも利用する、エゴイストな人ね

ゆっくりと立ち上がるリツコ


*ネルフ本部の通路

ミサトが大股で歩きながら携帯電話ををかけている
ア ナ:現在第一種警戒態勢が発令されています

携帯電話をを耳に当てながら大股で歩くミサト
片手で髪を束ねていたゴムバンドをはずす
回線がつながる
ミサト:状況は?
日 向:おはようございます
    先ほど第2東京からA−801が出ました
ミサト:801!?
日 向:特務機関ネルフの特例による法的保護の破棄、
    及び指揮権の日本国政府への委譲

非常用リフトに乗るミサト
ブザーが鳴り、扉が閉まる


*警報が鳴り響く第2発令所

ミサトに報告をしている日向、その横にマヤ
日 向:最後通告ですよ、
    ええ...そうです、
    現在MAGIがハッキングを受けています
    かなり押されています
伊 吹:伊吹です、
    今、赤木博士がプロテクトの作業に入りました

日向に受話器を向けられてリツコのことを話すマヤ
ブザーが鳴り、非常用リフトで上がってくるミサト
振り返る日向とマヤ
ミサト:リツコが?!

驚いているミサト


**BALTAZARL(バルサザール)の中(カスパーと同様)

リツコ:なによこれっ!!
    こんなものが、こんなものが...

入口の方からたしなめる声
スタッフ:(OFF)赤木博士...時間が...
リツコ:(荒げた声ではなく)わかってるわよ
    大丈夫。十分すぎるほど間に合うわ

普通に戻って、キーボードをたたきはじめるリツコ
リツコ:私、馬鹿な事してる(かな)
    ロジックじゃないもんね男と女は...

入力を中断し、眼鏡を持ち上げ人工頭脳を見つめるリツコ
リツコ:そうでしょ、母さん...


*第2発令所司令席

司令席から作業を見つめているゲンドウと冬月
冬 月:MAGIは前哨戦に過ぎん、
    奴らの目的は本部施設、及び残るEVA2体の直接占拠だな
 碇 :ああ、リリス、そしてアダムさえ我らにある
冬 月:老人たちが焦るわけだ


*第2発令所

発令所側面のモニターにMAGIの状況が映し出されている
バルサザールの一点をのぞいて全て真っ赤である
青いブロックが数回点滅した後、一気に全ての赤が青に反転していく
警報が停まる
伊 吹:MAGIへのハッキングが停止しました
ア ナ:フリーズ、フリーズ、フリーズ、フリーズ
伊 吹:Bダナン型防壁を展開、以後62時間は外部侵攻不能です


**バルサザールからはいでてくるリツコ

リツコ:かあさん。またあとでね

ミサトが待っている(まわりに警備員はいない)
ミサト:ご苦労さん。
    バルサザールには科学者としての、
    おかあさんがインプットされているんだったわよね。
    どうだった?
リツコ:...
    膨大なデータの保存とそれを元にした比較演算だけ。何が科学よ
    使徒に真っ先に侵入されるはずだわ
ミサト:リツコ...
リツコ:それより、こんなところに居ていいの?
ミサト:そうね。次は多分...
リツコ:顔、洗ってくるわ。じゃ


*ゼーレのモノリスのホログラムの浮かぶ漆黒の部屋

委員 :碇はMAGIに対し、第666プロテクトを掛けた
    この突破は容易ではない
委員 :MAGIの接収は中止せざるを、得ないな
キール:出来得るだけ穏便に進めたかったのだが致し方あるまい
    本部施設の直接占拠を行う


*戦自の攻撃

戦自隊員が林の中を移動している
黒服に身を包んだ戦自隊員が通信機の受話器を置く
戦 自:始めよう、予定通りだ

藪の中から次々と立ち上がる黒い戦自隊員達
戦自隊員達が林の中を中腰で移動していく

箱根外輪山をなめるように飛行していく戦自のVTOL機

山道を移動していく戦自の車両
赤色灯を持った戦自隊員が笛を吹きながら車両を誘導している

第3新東京市へ向けられていく戦車砲


ミサイル車両から次々と発射されるミサイル

ネルフの観測・防衛施設に向けて次々と飛行していくミサイル
芦ノ湖の脇の山の山肌に数発の弾丸が着弾する
弾丸が命中して爆発するレーダーサイト
爆発する観測車両


*第2発令所

第2発令所の光学・レーザーサイトのモニターが次々とノイズに変わっていく
ブラックアウトし、「SIGNAL LOST」の表示に変わっていく
オ ペ:第8から第17までのレーザーサイト沈黙

次々にブラックアウトし、やがて、全てのモニターがノイズで埋まる
青 葉:特火大隊、強羅防衛線より侵攻してきます
日 向:御殿場方面からも2個大隊が接近中

次々と報告されていく状況
冬 月:やはり最後の敵は同じ人間だったな
 碇 :総員、第一種戦闘配置

オペレータ達を見下ろしているゲンドウ
マ ヤ:戦闘配置!?
マ ヤ:相手は使徒じゃないのに、同じ人間なのに
日 向:向こうはそう思っちゃくれないさ


*戦自の攻撃

戦自部隊を攻撃するようにミサイルを次々と発射する兵装ビル
一連の機銃掃射を受け爆発する兵装ビル

ゲート前でライフルを持ち警戒しているネルフの戦闘スタッフ
後ろから忍び寄った戦自隊員に口をふさがれる
脾臓のあたりを後ろから刺される
戦闘 :っう、っう(声にならない)

滴った血が足下に血溜まりを作る
崩れ落ちるネルフの戦闘スタッフ
次々とゲートが開き戦自隊員が突入してくる

ネルフ本部通路、大型装甲車両が止まっている
警戒中のネルフの戦闘スタッフが無線機に呼びかけている
戦闘 :おい、どうした!
    おい!!(無線機に向かって)

戦闘スタッフが装甲車両から身を乗り出してくる
戦闘 :なんだ!?
戦闘 :南のハブ・ステーションです

徹甲弾が車両正面に3発命中する
大きな穴があき、大きくはねる装甲車両
爆風が通路に広がる


*ゲート

侵入してきた戦自隊員が
血溜まりに倒れているネルフの戦闘スタッフの横を次々と通り過ぎていく


*警報の鳴り響く第2発令所

次々と報告される状況
ミサトがオペレータに指示を出していく
ミサト:西館の部隊は陽動よ、
    本命がエヴァの占拠ならパイロットを狙うわ!
    至急、シンジ君を初号機に待避させて!
日 向:はい!
ミサト:アスカは?
青 葉:303号病室です

モニターに映し出される303号病室のアスカ
ミサト:構わないから弐号機に乗せて
伊 吹:しかし、未だエヴァとのシンクロは回復していませんが
ミサト:そこだと確実に消されるわ
    匿うにはエヴァの中が最適なのよ
伊 吹:了解

電話をかける伊吹
伊 吹:パイロットの投薬を中断、発進準備
ミサト:アスカ収容後、エヴァ弐号機は地底湖に隠して
    すぐに見つかるけどケイジよりましだわ
    レイは?
青 葉:所在不明です。位置を確認できません

モニターにREI LOSTと表示される
急に表情が険しくなるミサト
ミサト:殺されるわよ
    捕捉急いで


**試験管のような容器

オレンジ色のLCLの水槽の中に裸で浮かんでいるレイ
水槽の脇には衣服がきちんと畳んで置かれている
”#6「笑えばいいと思うよ」と言っているシンジのインサート”


*第2発令所

ロックが解除され射出される弐号機
日 向:弐号機射出
    8番ルートから水深70に固定されます
ミサト:続いて初号機発進!
    ジオフロント内に配置して
青 葉:だめです!パイロットがまだ!
ミサト:えぇ?!

F-46b LIVE X07と表示された画面がモニターに映し出される
白黒の荒い映像で階段の下に膝を抱えてしゃがみ込んだシンジが写し出されている
ミサト:なんてこと...


*ネルフ本部内

ア ナ:セントラルドグマ第二層までの全隔壁を閉鎖します
    非戦闘員は第87経路にて待避してください

アナウンスと共に通路・ダクト・パイプのシャッターが次々と閉まっていく

駐車場の隔壁に向かって柱の陰からロケット・ランチャーを発射する戦自隊員


*第2発令所

青 葉:地下、第3隔壁破壊、第二層に侵入されました

司令席に座り、戦況を見ているゲンドウ
冬 月:戦自、約一個師団の投入か
    占拠は時間の問題だな

突然立ち上がり、冬月に話しかけるゲンドウ
 碇 :冬月先生、後を頼みます
冬 月:分かっている、ユイ君によろしくな

非常用リフトで降りていくゲンドウ


*ネルフ本部内

(音声なしSEありで) (アスカのセリフ
レイプをイメージして、しかし直接の行為には触れないで
言葉自体はネルフ全体の悲鳴ととれるように)
黒い小型VTOL機が やめて!
メインシャフトを降下しながら もういや!
横穴を次々と機銃掃射していく 殺して!


*第2発令所

オ ペ:第2グループ応答なし
オ ペ:77電算室、連絡不能
青 葉:52番のリニアレール、爆破されました

次々と報告される芳しくない戦況
日 向:たち悪いなぁ、使徒のがよっぽどいいよ
ミサト:無理もないわ、みんな人を殺すことになれていないものね


*ネルフ本部内通路

(音声なしSEありで) (上と同様)
泣きながら同僚の死体を やめて
引きずっていく女性スタッフ 殺してよ
通路を走ってゆく戦自隊員 お願い
戦自隊員の一人が生き残りに気づき、 死ねばいいのだわ
横の通路に入って来る
戦自隊員に見つかり射殺される 殺して
通路に累々と横たわる、 お願い
ネルフスタッフの死体 早く
戦自隊員が通路内の壁に穴を開けている 殺してよ
戦自隊員が、
ケーブルを銃で次々と切断していく
エレベータ内を、 もう、いや
火炎放射器で焼き尽くす戦自隊員 いや

エレベータ内で焼かれる女性スタッフの悲鳴(このセリフ,SEはそのまま)
女性スタッフ:きゃぁぁ!
   うぁぁ!!!

(音声なしSEありで) (ここからはリツコの声に?)
戦自隊員の破壊と殺戮は続いていく 死にたい
通路の壁に飛び散る血と肉片 もういや
至る所にある機銃の弾痕 殺して
累々と横たわるネルフスタッフの死体 お願い
ちぎれた手や足がまるでスプラッタのようになっている (レイプされてもうあきらめるような声)


*第2発令所

オペ :第3層Bブロックに侵入者!
オペ :防御できません!
青葉 :Fブロック側です、メインバイパスを挟撃されました!

次々と占拠されていく状況をモニターで見ているミサト
次々とオレンジの表示が赤いCAPTUREDの表示に変わっていく
ミサト:第3層まで破棄します、戦闘員は下がって
    803区間までの全通路とパイプにベークライトを注入!
青葉 :はい!!


*ネルフ内通路

ベークライトが注入されていく通路
タラップに横たわった血まみれのネルフスタッフの死体をベークライトが包んでいく


*第2発令所

ベークライト注入状況がアナウンスで報告されていく
ア ナ:第703管区、ベークライト注入を開始。完了まで後30
ミサト:これで少しはもつでしょう

日向、ミサトに振り返り
日 向:葛城三佐、ルート47が寸断されグループ3が足止めを食ってます
    このままではシンジ君が!

階段の下で膝を抱え俯きながら座っているシンジのインサート

ミサト:非戦闘スタッフの白兵戦闘は極力さけて
引き出しを開けて拳銃とマガジンを取り出すミサト

ミサト:向こうはプロよ
    ドグマまで後退不可能なら投降した方がいいわ

銃にマガジンを装填してコックする
日向の耳元でつぶやくミサト
ミサト:ごめん、後よろしく...
日 向:はい

発令所をあとにするミサト


*戦自野営司令所

第3新東京市を見下ろす位置にある山の山腹
戦自の前線指揮本部が設置されている
指揮官らしき男が双眼鏡で戦況を見ている
戦 自:二子山はもういい、長尾峠に回れ
隊 長:意外と手間取るな
戦 自:我々に楽な仕事はありませんよ


*第2発令所

コンソールの下から銃器の入った箱を取り出す日向と青葉
日 向:分が悪いよ
    本格的な対人要撃システムは用意されてないからな、ここ

銃器をチェックしながら話す日向と青葉
青 葉:ま、せいぜいテロ止まりだ

コンソールの下で猫のクッションを抱えて丸まっているマヤ
日 向:戦自が本気を出したらここの施設なんてひとたまりもないさ
青 葉:今考えれば
    侵入者要撃の予算縮小って、これを見越してのことだったのかなあ
日 向:あり得る話だ..

突然、発令所下層の隅の壁が爆破される
付近にいたスタッフが吹き飛ばされる
日 向:うわ!!

煙に包まれる発令所の下層
煙の中から機銃が乱射され、盾を持った戦自隊員が突入してくる
日 向:いってぇ!!

素早くイスから降りて床にしゃがむこむ日向と青葉
クッションを抱いてふるえているマヤの脇に、走り寄り銃を渡す青葉
青 葉:ロックはずして

手のひらに乗せられた銃を恐ろしそうに見つめるマヤ
マ ヤ:あたし‥‥‥あたし鉄砲なんて撃てません‥‥‥
青 葉:訓練で何度もやってんだろ!
マ ヤ:でもその時は人なんていなかったんですよ!!

二人の直上に着弾する
青 葉:バカ!! 撃たなきゃ死ぬぞ!

青葉に怒鳴られてちぢこまるマヤ


*LCLの水槽の前

リツコに破壊されたスペアの残骸を無表情で見つめる裸のレイ
 碇 :レイ...

暗闇から不意に声がかかる
 碇 :やはりここにいたか...

ゆっくりと声の方へ振り向くレイ
暗闇からゲンドウが現れ、レイの前で立ち止まる
見つめ合う二人
 碇 :約束の時だ
    さあ、行こう


[Aパート終了]


2000. 1.06
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