Section 4 : 情報のアベイラビリティ(2)

 ここでは,スタイルシートの選択をはじめとして Section 3 に続けて情報の利用について述べていくことにしよう。

スタイルシートの選択

 Section 3 では,スタイルシートを出力メディアに応じて使い分ける方法を解説した。これ以外にも,読み手のことの考えていくつかのスタイルシートを用意し,これらから選択するということが可能である。

 Always with HTML の Section 4 で触れたように,スタイルシートに関して,つまり REL="stylesheet" が指定された <LINK> は,TITLE 属性に通常と異なった意味が与えられている。

 いままでの指定方法は,TITLE 属性は指定せずに,固定的にスタイルシートを使用するためのものである。ただし,MEDIA 属性と出力に応じての選択はなされる。

<LINK REL="stylesheet" TYPE="text/css" MEDIA="screen, print" HREF="base.css">
<LINK REL="stylesheet" TYPE="text/css" MEDIA="screen" HREF="display.css">
<LINK REL="stylesheet" TYPE="text/css" MEDIA="print" HREF="print.css">

このとき,“base.css”は画面および印刷用,“display.css”は画面用,“print.css”は印刷用になる。画面表示するさいは前の 2 つの CSS ファイルが両方呼び出され,使用される。

 一方,TITLE 属性を指定したときは,いくつかのスタイルシートから選択する余地があることを示す。TITLE 属性にはスタイルシートのグループを識別する名前を書く。スタイルシートの選択を提供する場合,

とする。UA は,いくつかのスタイルシートから 1 つを選択するためのインタフェースを提供することになろう。

<LINK REL="stylesheet" TITLE="default" TYPE="text/css" HREF="default.css">
<LINK REL="alternate stylesheet" TITLE="large font" TYPE="text/css" HREF="large.css">
<LINK REL="alternate stylesheet" TITLE="monochrome" TYPE="text/css" HREF="monochro.css">

上の例では,筆者のおすすめのスタイルシートは“defalut”で指定される“default.css”だが,“large font”で指定する“large.css”,“monochrome”で指定する“monochro.css”も選択することができる。これらは互いに排他的で,選択肢のなかから 1 つのみを選ぶことになる。

 同じ TITLE 属性を持つおすすめあるいは代替スタイルシートが複数ある場合,たとえば,前述の例で

<LINK REL="alternate stylesheet" TITLE="monochrome" TYPE="text/css" HREF="lowres.css">

が加えられていたら,“monochrome”を選択することで適用されるスタイルシートは“monochro.css”と“lowres.css”の両方になる。

 TITLE 属性を伴うスタイルシートの呼び出しは,TITLE 属性がないものと併用してよい。すなわち,TITLE 属性を書かずに基本となるスタイルシートを呼び出し,その上でいくつかのスタイルシートを選択するようにできる。

 おすすめスタイル・シートは <META> で指定してもよい。

<META HTTP-EQUIV="Default-Style" CONTENT="default">

のように設定する。

 また,STYLE 属性にスタイルシートを書くときは,とくにその MIME タイプを指定しないが,これは,<META> で前もって宣言しておくことが望まれる。

<META HTTP-EQUIV="Content-Style-Type" CONTENT="text/css">

スクリプトの場合と同様であることがおわかりいただけるだろうか。

 ちなみに,HTML 文書のスタイルシートは CSS に限らない。現に,Netscape Navigator 4.0 では JavaScript Style Sheets を利用することができる。この MIME タイプは JavaScript 同様,text/javascript である。その名のとおり,文法規則は JavaScript そのものと言ってよい。

 スタイルシート言語は,これからもいくつか登場するかもしれないが,UA によって対応状況に差が出る場合もあろう。

PROFILE 属性

 <HEAD> は,その内容として書かれる <META> の情報についての定義などがある URI を PROFILE 属性で指定することができる。

PROFILE 属性
属性 解説
PROFILE URI
(複数)
メタデータのプロファイルがある URI。空白で区切って複数の指定が可能。

 PROFILE 属性は,たとえばサーチエンジンにデータを与えるときの与え方などが書かれた URI を参照する。

SCHEME 属性

 <META> による文書情報を指定するとき,その CONTENT 属性がどのように与えられているかを示すのに SCHEME 属性を使うことがある。

SCHEME 属性
属性 解説
SCHEME 文字列 CONTENT 属性に値をどのように解釈するかを指定する。値はメタデータのプロファイルや NAME 属性の値による。

 たとえば,日付は Always with HTML の Section 4 で紹介した YYYY-MM-DDThh:mm:ssTZD で与えるのが一般的だが,もし MM-DD-YY と書く場合,SCHEME 属性には

<META NAME="date" SCHEME="Month-Date-Year" CONTENT="06-12-98">

と書かれるかもしれない。