図版について

Section 6

図 6.1:文字・テキストの流れ方向の説明図。
 文字には,それぞれ“左から右”に流れるものであるか,“右から左”に流れるものであるかが定められている。また,DIR 属性は,文章の各部分が“左から右”に流れるものであるか,“右から左”に流れるものであるかを定める。これは,その複雑な例である。
 <P DIR="ltr"> はパラグラフのテキストが“左から右”に流れることを要請している。その中で,“左から右”に流れる文字から構成される英単語は,“左から右”のテキストの流れの中を“左から右”に配置される。一方,<Q DIR="rtl"> の中では,テキストは“右から左”に流れる。その中での英単語は,“文字の順序”は“左から右”で,“単語の順序”は“右から左”になる。DIR="rtl" の環境下では,一方で“右から左”に流れる文字は自然な順序で配置されることになる。

Section 7

図 7.1:SCOPE 属性の有効範囲。
 <TH><TD> に指定されうる SCOPE 属性は,そのセルが列(グループ)に対しての見出しなのか,行(グループ)に対しての見出しなのかを示す。“SCOPE="row"”では,そのセルは行(横方向)に対しての見出しとしてふるまい,それより(DIR="ltr" で)右方のセルに見出し情報を提供する。“SCOPE="col"”では,そのセルは列(縦方向)に対しての見出しとしてふるまい,それより下方のセルに見出し情報を提供する。

Section 9

図 9.1:AXIS 属性は,表の見出しをカテゴライズし,“軸”の構造を示す。
 本図は,本文中の“児童の体格”の表の構造を,AXIS 属性に従って 3 次元的に示している。この表は表示されるときこそ 2 次元だが,実際は“age”“sex”“item”の 3 軸を持ち,3 次元の表だといえる。このように示された表組の構造は,スピーチデバイスでの出力に役立つであろう。

Section 13

図 13.1:DTD 中で,要素は,種類名,タグの省略可否,内容モデルによって定義される。
 要素の定義は,要素の種類名,開始・終了タグの省略可否(「-」:省略不可または「O」:省略可),内容モデルによって記述される。内容モデルにはその要素の子要素となる要素についてかかれるが,ここがキーワード EMPTY の場合,終了タグを禁止された“ここに”の形を持つ“エンプティ要素”(<BR><HR> など)として定義される。

Section 14

図 14.1:DTD での順序・反復の記号は,図式を用いて表すこともできる。
 DTD では,内容モデルに出現する要素などの回数・順序を記号を用いて表すが,これは,図式を用いても表現可能である。(A | B | C) は,“A,B,C のいずれかの箱に入ること”,(A, B, C) は“A の箱に入り,ついで B の箱に入り,ついで C の箱に入る”として図式化される。
図 14.2:(A+ | B+) と (A | B)+ は,“どちらかが出現するか,どちらも出現してよいか”という点が異なる。
 (A+ | B+)(A | B)+ は,似ているが異なる表現である。前者は,“A か B かを選んで,それを 1 回以上繰り返す”であり,それから生成されるのは,“AAAAAA”や“BBBBBB”である。後者は,“1 回以上,A か B かを選ぶことを繰り返す”ことになる。その結果,“ABBBAABA”や“BBAABABBA”などが生成される。後者からは,“AAAAAA”なども生成されうることに注意。
図 14.3:DTD によく出現する (A | B | C)* と (A | B | C)+ の形の構文。基本的に“候補からどれでも好きなだけ選ぶ”ことである。
 DTD には,(A | B | C)* および (A | B | C)+ が多く現れる。これは,図 14.2 の後者の形であり,選択する回数が前者では 0 回以上,後者では 1 回以上であることを除けば同じである。いずれも,“CBAABACBBACB”のような列を生成しうる。ただし,前者は“”(何もない)を生成しうるが,後者はそれを生成し得ない。
図 14.4:<TABLE> の内容の構文を図式化したもの。
 <TABLE> の内容の構文は複雑であり,とくに (COL* | COLGROUP*) の部分がポイントである。これは,図 14.2 の前者のケースであり,“どちらかを選んで,それを 0 回以上繰り返す”ことである。したがって,生成されるのは“COL,COL,COL,……”または,“COLGROUP,COLGROUP,COLGROUP,……”であり,2 つが同時に現れる列は生成されない。