今や WWW に必須ともいえる画像は,<IMG SRC="..."> を用いて挿入する。その画像ファイルはどのように作成するのだろうか。本題の HTML を少し離れて,画像ファイルの基礎知識を紹介しよう。
画像ファイルの作り方,と聞いてすぐ思い浮かぶのはスキャナで取り込んだ,デジタルカメラで撮影した,といったところだろう。そうでなく,お絵かきソフトで作成することももちろんできる。また,ページを開いたときにモザイク状またはぼかし状からじわじわ出てくる画像,“輪郭が四角でない”画像,動く画像も作ることができる。
WWW ページ上で広く用いられる画像形式には GIF,JPEG,PNG などがある。それぞれに特徴があるので,使いわけもひとつの技術である。
簡単に作れるとはいえ,作成にはソフトウェアが必要である。高度な画像処理が施せる市販品でもよいが,とりあえず作るのであればフリーソフトウェアでも十分実用に堪えうる。自分にあったものを探してみよう。
GIF は元の画像が 256 色以上使用している場合,減色を施さなければならない(保存時に自動的に処理されることもある)。ソフトウェアによっては,高度な設定をし,原画像の雰囲気を損なわないように調整することができる。
インタレース GIF は,ソフトウェアが対応しているものであれば,保存時に設定するだけでよい。透過 GIF も対応していれば,保存時にどの色を“透過色”にするかを指定すれば簡単にできあがる。アニメーション GIF は,作成に専用のソフトウェアが必要なことが多い。必要なコマを連結して作る。高度なものは,コマの速さなども設定できる。
GIF の画像圧縮には,特許となっている“LZW アルゴリズム”というものが使われている。このアルゴリズムを使用するソフトウェアを作成した場合,特許権料の支払いが必要なため,GIF を扱えるフリーソフトウェアは極めて少ない。
JPEG はどの程度の圧縮をかけるかを設定できることがある。圧縮率を高くするとファイルサイズは小さくなり,ネットワークへの負担は軽くはなるが,画質は大きく劣化する。
プログレッシブ JPEG はあまり見受けられないが,ソフトウェアが対応しているものならば保存時の設定により作成できる。
PNG は,GIF を高機能にした側面を多く持つ。ピクセルごと透過率を定める“アルファチャネル”を持たせることができ,半透明効果が実現できるようになっている。
比較的新しい画像形式のため,残念ながら古いブラウザでは表示できない場合がある。
このような処理ができるソフトウェアには画像の形式変換ができるものが多い。JPEG と GIF の相互変換や,その他の形式(Windows の bmp 形式など)からの変換でさまざまな画像を GIF,JPEG または PNG という WWW で利用可能な形にできる。スキャナ取り込み時,デジタルカメラ撮影時も同様である。デジタルカメラでは,画像が JPEG 形式のファイルとしてコンパクトフラッシュまたはスマートメディアなどに書き込まれ,PC カードなどのアダプタを介してそれらを利用できるようになっているものも少なくない。
当然のことながら,著作権のある画像を無断で使用するのは控えなければならない。また,著作権があって,使用を認められている画像でも,無断で改変するのは提供者の厚意を踏みにじることにつながりかねない。