ゼーレ、魂の座 updated 2000. 6.04


注:ここに書かれていることはフィクションであり、実在の人物・団体とは 何の関係もありません(念のため)。事実と異なる記述があったとしても 筆者はその責を負いません。


テロップ:2000年4月1日


小渕首相が深夜、緊急入院し、病状が極めてよくないことにより
緊急理事会が開かれた

:小渕の緊急入院か。あまりに唐突だな
:20年前と同じだよ。わざわいは何の前ぶれもなく訪れるものだ

「20年前」とは、当時の大平首相が任期中に死亡したことを指す
:幸いとも言える。
 この絶望的な不況から目をそらすことができる
 という点においてはな
:そいつはまだわからんよ。
 過半数を取れなければムダと同じだ
:左様。じきに公開せねばならない小渕の病状、代理する首相、情報操作。
 全ては適切かつ迅速に処理してもらわんと困るよ
:その件に関しては既に対処済です


〔TVニュース〕
小渕氏が病に倒れたとき「”万事よろしく”と言われた」といい張る青木官房長官

:発表はシナリオD-22かぁ。またも真実は闇の中ね
「またも」とは、 昭和天皇死去の日付が88年12月末を89年1月7日に変えられたことを指す



:しかし、もう少しよいシナリオを描けないものかね
:聞けば、総理の座は森に与えたそうではないか
:サメの脳みそとも言われるのだぞ。馬鹿な発言なぞしなければよいがな
:それに君の仕事はこれだけではあるまい
 間近に迫った衆議院での任期切れ。それに伴う総選挙後の政権確保
 これこそが君の急務だ
:万が一政権を取れなければ、日本は終わる
:左様、それこそが絶望的不況下における
 唯一の希望なのだ。我々のね

:野中。後戻りはできんぞ
:わかっている。我々には時間がないのだ



:失礼。便乗ついでにここ、よろしいですか?
 予算、それに関連法案、あっさり通りましたね
:委員会も野党も自分が生き残ることを最優先に考えている
 そのためのコトは惜しむまい
:夏までに景気回復する、というのが彼らの論拠でしたからね。
 もう一つ朗報です。
 米国を含む全てのG7各国が円高抑制を承認しました
 まぁ円安に振れるのも時間の問題でしょう
:野党は選挙準備をまだできていない。我々の道は彼らを倒すしかあるまい



:解散時機をサミット前にする!?
:こちらから打って出るのか?
:20年前の再来とも考えられるが
:ええ、これはチャンスなのです。
 これまで不況・不況と防戦一方だった我々が初めて攻勢に出るための
:リスクが大きすぎる
:しかし、ここにきての米国の景気減速感。秋には底値をつける可能性もあります
:失敗は許されん
:失敗か。その時は日本そのものが滅んでしまうよ
 本当にいいんだな

にやりと笑う野中



病中から、肉声テープで引退会見を開く竹下元首相

:竹下の肉声テープ。それで天声をあやつるのか
 既に脳死状態とも言われるのに
:お困りの人も、さぞ多いでしょうなぁ
:なぜあんなことをした
:ま、いろいろありまして
:出れば一度も顔を見せずとも通る候補なのに
 第一、自民党の敗北は日本の破滅を意味するのだぞ
:我々はそんなに無能ではありませんよ



栗本国会議員によりインターネットで病状の考察がはじまる

:いかんなこれは。まだ早すぎる
:左様。この時期に死去を発表されては、予定外だよ
:まして、病状のリークを許すとは
:もし、全てが知られたら、野党の強い反発材料になる
 全ての計画が水泡と化したところだぞ
:リークされた報告は誤報
 脳死状態だったということの証拠となる事実はありませんが
:では野中、野党の追求は一時的なもの、というのだな
:ハイ
:気をつけてしゃべりたまえ野中君。この席での偽証は死に値するぞ
:全ての記録は抹消しました。共産党の院内内通者が調べても問題ありません。
 その事実は記録されておりません
:君の得意技の事実の隠蔽か!  笑わせるな。
 隠蔽に隠蔽を重ねているではないか
:タイムスケジュールは、死海文書の記述通りに通んでおります
:まあいい、今回の君の罪と責任は言及しない。
 だが、君が新たなシナリオを作る必要はない
:わかっております。全てゼーレのシナリオ通りに



:12号室のクランケ? 佐藤とかいったっけ
:例の事件の救急でしょう。
:ここで入院してから随分立つわね
:なかなか難しいみたいよ。あのケガ
:まだ任期途中なのに
:今日も来てるんでしょ。あの娘
:そうそう、週2回は必ず顔だしてんのよ。
:父親思いのいいお娘さんよね
:やっぱ、あの娘が後継なのかしらね
:実績なくともね
:3流大卒でTBS入社歴アリかぁ
:ホント。親のコネって大事よねぇ



:本来、景気回復を確認した上で行なわれるべき総選挙
:まさか、かのような手段で自ら選挙時機を選べるとはな
:かつてのゼーレのシナリオとは大きく違った出来事だよ
:だが、野中が増長しすぎてはいないか
:ヤツの指揮した選挙は敗北を続けているのだぞ
:野中、そもそも、あの男を幹事長にしたのが間違いではなかったのかね
:だがあの男でなければ、橋本の後の党勢縮少を抑えきれなかった
:野中、何を考えている?



ゼーレ代表と野中の密談

参考資料: 栗本慎一郎氏のホームページより

では、事実。

  1. 小渕は4月1日午後11時には、はっきり気分も悪くなり、おそらく脱力感という かたちで麻痺も始まり脳梗塞を『発症』した。しかし、医師の往診を仰ぎ、 その医師の入院の勧めを断った。

  2. で、結局、病院に行ったのは2日午前1時20分ころ。医師団は、ここまでに 神経内科の教授を呼び出したりして脳卒中をほぼ確信していただろう。だから、 CTを撮らず、いきなりMRIを撮った。そして、脳梗塞を確認。しかし、 血栓溶解を諦める。理由は毎日新聞によると発症後、2時間を経過していたので 駄目と判断した、確かに1時間半以内が非常に望ましいといわれているが、 残存血流が一定程度あれば3時間以内なら血栓溶解は十分出来るはずだ。でも 別の理由で、しなかったのなら、それはそれでよいからやはり公式に 事実を明らかにすべきだろう。

  3. どうしても奇妙なことがある。血栓溶解剤を使わなかったことを、順天大は 一貫して合理化しようとしていることだ。血栓溶解剤は、動脈それ自体に行なう 再開通療法は発症6時間以内ならまだ、超早期ということで行なえる。6時間以内だ。 2時間なんて基準は聞いたことがない。3時間以内が望ましい という話は存在するが…。なぜしなかったか。また、溶解剤を「使う」「使わない」 という問題に絞って言えば、静脈内投与(点滴)でも使ったことになる。これは、 よく分かった施設では、発症後3日以内からなら一週間ほど点滴治療するのが 「普通」だ。tPAでなくウロキナーゼという日本だけで使うやつで効きは悪いがね。 にもかかわらず、胸を張って、それさえも使わないのが常識だ なんて良く言ったものではないか。かくてやはり、順天堂大のドジ医療の疑いは 絶対消えない。繰り返すが、公式に発表せよ。

  4. その後、2日午後2時またMRIを撮った。毎日新聞によると ここで『正式に』脳梗塞と診断されたというが、そんな馬鹿はない、 順天堂だって、もっと早くそう診断している。ただ、病状の悪化があったから 確認のため二度目を撮ったはずだ。悪化が進み、『自然に脳梗塞が脳出血に』と なったというが、これはありうる。ここまでは、小渕さんは、 集中治療室に入っていないようだ。

  5. 悪化のため慌てて、官房長官も呼ばれる。そこまで、小渕が何とかボーっとなら 意識を持っていることはあり得る。青木ともアーとかうーとか反応するがごとくの 『会話』をしたことは考えられる。だが、絶対に臨時代理総理の依頼など 出来ていない。そして、実はまったくチラともそんなことは出来ない状態だった ことも十分考えられる。

  6. その後、集中治療室に入って、しばらくは(ハッカーではなく)クラッカーや 順天堂内部の医師には薬の処方がコンピュータでアクセスできるような状態だった。 この一部、が4・28号のフライデーに掲載される。それをパクッタと思われる A弁護士が、当局から「別件」でパクラれるというおまけもついた。それによると、 小渕病状は超急速にその後悪化し、すぐに自発呼吸できなくなるくらいになった。

─― ということである。これでも、まだ、昏睡が始まったのを遅くするための 情報操作があるのではないかと疑われる部分があるが、千歩譲って 以上を事実と認めても、青木臨時代理総理は法的に存在しえないと言える。それに 『時は脳なり』と言うくらい初動が大切なものなのに、1日深夜にもっと なんとかならなかったのかという思いが同病の私には沸いてきてならない


:どう思うかね。野中君
:もはや知らぬ存ぜぬでは無理でしょう。死去を公表します




:死んだ人間は生き返らない、事態収束は我等の手では不可能だよ
:小渕の死去、なぜ公表した
:衆院選立候補者数、まだ予定にはそろっていないのだぞ
:脳死の情報がリークされつつありました。やむを得ない事象です
:やむを得ないだと? 言い訳にはもっと説得力を持たせたまえ
:最近の君の行動には、目に余るものがあるな
:竹下の立候補辞退宣言も君の仕業だろ
:脳死情報が流れそうだったのです‥‥(電話が鳴る)

:なんだ? 審議中だぞ。...わかった
:野党が現在、証人喚問を準備中です。続きは後程
:そのとき君の席が残っていたらな



:これは
:小渕前首相のカルテ!?

:まさか森総理の就任は、青木官房長官の首相臨時代理就任の根拠は ‥‥
:そう、でっち上げ

:まさか
:彼は病院到着時点でほとんど脳死状態といってよい状態だったのよ
:長老たちは、それを選挙に利用しようとしたの
:かつての大平総理死去のときに圧勝した記憶からね
:だから、植物状態でも生きつづけさせたの

:そんな、生と死を自由にあやつるなんて
:簡単よ。そう発表するだけですもの
 脳死判定なんて、遺族が認めないとできないんですもの
 たとえ意思表示カードを持っていてもね

:でも情報操作に失敗した
 だからウソを言い続け
 私人としてのプライバシーを盾にごまかそうとしてきたわ
 でも、インターネットで、彼が脳死であることをリークされそうになった
 だから破壊するの。衆院選の日程も決まったことだし

:殺す気!!
 あんた、何やってるのかわかってるの!

:ええ、わかっているわ
 破壊よ。人じゃないもの。人の形をしたモノなのよ

:でも、そんなものにすら、私は負けた!  勝てなかったのよ!
 首相になることを考えただけで、どんな虐待にも耐えられたわ
 ただ首相になれたら!
 でも、でも、あの老人たちは‥‥ わかっていたのに
 バカなのよ

:自民党を選挙で敗北させて。ええ、そうしてくれるとうれしい

:権力に取りつかれた人の悲劇
 終わっているわね。この政党は



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