'**'とは、大きな修正があることを示す
[アイキャッチ]The Beginning and the End, or "Knockin'on Heaven's Door".
**ゼーレの会議
〔セリフをかぶらせる。右はゼーレ、左は碇。中は中央(やや右より)〕
ゼーレの会議。並ぶモノリス
ネルフ、そもそも
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我等 ゼーレの 実行 機関として結成されし組織
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| 我々に 与えられた
時間は残り少ない
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我等のシナリオを実践するために用意されたもの
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だが、今は
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一個人の占有機関 と成り果てている
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| ロンギヌスの槍 は既にないのだ
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左様、 我等の手に取り戻さねばならん
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| 間もなく 最期の使徒が現われるはずだ
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約束の日の前に
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ネルフと エヴァ シリーズを
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| それ
を消せば
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本来の姿に
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しておかねばならん
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| 願いがかなう
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ゼーレへの背任 碇 責任は取ってもらうぞ
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| もうすぐだ
ユイ。もうすぐそこだ
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*レイの寝室
弱い月明かり
うつぶせになりながら、自問自答するように話すレイ
レイ:私、何故ここにいるの
私、何故また生きているの
何のために
誰のために
フィフス・チルドレン、あの人、私、同じ感じがする
どうして
**ミサトのマンションはカット
**カヲルの個室
ベッドの上のカヲル。床に寝ているシンジ
カヲル:何を話したいんだい?
シンジ:え?
カヲル:僕に聞いてほしいことがあるんだろ?
シンジ、天井を見て
シンジ:いろいろあったんだ...ここにきて
来る前は先生のところにいたんだ。
穏やかでなんにもない日々だった。
ただそこにいるだけの...でも、それでも良かったんだ。
僕には何も、誰とも何もすることがなかったから
カヲル:人間が嫌いなのかい?
シンジ:別に...
どうでも良かったんだと思う。ただ、父さんは嫌いだった
ふと我に返るシンジ
シンジ:OFFどうしてカヲル君にこんなこと、話すんだろ?
カヲルのほうを見ると、目があってドキッとなるシンジ
とびきりのカヲルの笑顔
驚きと恥ずかしさで真っ赤な顔のシンジ
シンジ:やめてよ
ひとしきり、恥ずかしがるシンジを見るカヲル
カヲル:イヤなのかい?
シンジ:なんで、僕なんかを
カヲル:そんなことはないさ
僕をどう思うんだい? 君は
(間)
シンジ:(Mっぽく)変だな、男同士なのに‥‥
カヲル:(シンジのセリフをさえぎるように)
僕は君のことが好きだな(あっさりと。変な気なし)
(間)
シンジ:(Mっぽく)人に好かれるなんて初めてだな
カヲル:そう
君が先に僕を好きだったんだろ♪
”#17で「ありがと」といいつつ顔を赤らめるレイ(左右反転)”
のインサートが一瞬、カヲルの顔にかぶる
カヲル:僕は
君に逢うために、生まれてきたのかもしれない
微笑むカヲル
ボケながらホワイトアウト(シンジの夢見心地をイメージ)
**カヲルの早朝の散歩
霧のかかった湖
荒廃した第3新東京市。倒れかかっている電柱
カヲル:OFFヒトは無から何も作れない
カヲル:OFFヒトは何かにすがらなければ何もできない
カヲル:ヒトは神ではありませんからね
天使像の上に立っているカヲル
前にゼーレ01のモノリスが現れる
キール:だが、神に等しき力を手に入れようとしている男がいる
カヲルのアオリ。前にゼーレ12のモノリスが現れる
ゼ12:我らのほかに再びパンドラの箱を開けようとしている男がいる
カヲルの横にゼーレ04のモノリスが現れる
ゼ04:そこにある希望が現れる前に箱を閉じようとしている男がいる
嘲笑するように言うカヲル
カヲル:希望?
ゼーレのモノリス群に囲まれるカヲル
カヲル:あれがリリンの希望ですか?
ゼーレ:希望の形は人の数ほど存在する
希望は人の心の中にしか存在しないからだ
だが、我らの希望は具象化されている
それは偽りの継承者である黒き月よりの我らの人類その始祖たるリリス
そして正統な継承者たる失われた白き月よりの使徒その始祖たるアダム
そのサルベージされた魂は君の中にしかない
だが、再生された肉体は、すでに碇の中にある
カヲル:シンジ君の父親…
目を閉じるカヲルの正面アップ
カヲル:彼も僕と同じか
ゼーレ01のモノリスのアップ
キール:だからこそお前に託す
ゼーレのモノリス群に囲まれるカヲルの俯瞰
ゼーレ:我らの願いを
消えるモノリス群
カヲル:分かっていますよ、そのために僕は今、
ここにいる訳ですから
そのカヲルを双眼鏡で覗いているミサト
ミサト:OFF駄目だわ
双眼鏡を持って覗いているミサト
ミサト:ここからじゃ、唇の動きが読めない
ミサト:OFFそれにしてもこんな朝っぱらから独り言を言う為に散歩とは
危ない奴ね
ミサトの方を向くカヲル、慌てて双眼鏡を外すと、奥に湖が見える
双眼鏡を持っているミサトの正面
ミサト:気づかれた!?
遠くに湖が見える。車を路肩に止めているミサト
ミサト:まさかね
ミサトの方を向いているカヲル、ため息をつきながら正面を向くカヲル
カヲル:全てはリリンの流れのままに
*橋の上、ミサトと日向
(朝)ジオフロント、地底湖の上にかかっている橋の上にミサトと日向
ミサト:どう? 彼のデータ入手できた?
日 向:これです。伊吹2尉から無断で借用したものです
ミサト:すまないわね。泥棒みたいなことばかりやらせて
データを見るミサト
ミサト:なに、これ?
日 向:マヤちゃんが公開できないわけですよ。
理論上はありえないことですから
ミサト:そうね。謎は深まるばかりだわ
エヴァとのシンクロ率を自由に設定できるとはね。それも自分の意思で
またも、なりふりかまってらんないか
*独房
独房で、リツコの前に立つミサト
リツコ:(ポツリと)よくこれたわね
ミサト:聞きたいことがあるの
リツコ:ここでの会話、録音されるわよ
ミサト:かまわないわ。あの少年の、フィフスの正体は何?
しばらく考えて
リツコ:おそらく、最期の使徒ね
〔以下、TV版とタイミングを同じにしてください〕
*ケイジ
カヲル:さぁ、行くよ
おいで、アダムの分身、そしてリリンのしもべ
*発令所
発令所、点灯する警告灯(BGM:第9合唱部分)
日 向:エヴァ弐号機、起動
飛び込んでくるミサト
ミサト:そんな馬鹿な...アスカは?
病室インサートして、
青 葉:303病室です。確認済みです
ミサト:じゃあ、一体誰が
伊 吹:無人です!
弐号機にはエントリープラグは挿入されていません!
ミサト:誰もいない? フィフスの少年ではないの?
A.T.フィールド発生を示すモニター
日 向:セントラルドグマにATフィールドの発生を確認
ミサト:弐号機?
日 向:いえ、パターン青! まちがいありません! 使徒です!
ミサト:なんですって?
ドグマをリニアエレベーターで下降していく、弐号機とカヲル
ミサト:使徒?あの少年が?
アナ :目標は第3層を通過。なおも降下中
青 葉:だめです!リニアの電源は切れません
アナ :目標は第5層を通過
冬 月:セントラルドグマの全隔壁を緊急閉鎖!少しでもいい。時間を稼げ
閉まっていく隔壁
冬月:まさかゼーレが直接送り込んでくるとはな
碇 :老人どもは予定をひとつ繰り上げるつもりだ。我々の手で
**ゼーレの会議室
〔タイミングが合わないならば
上の冬月・ゲンドウのセリフを重ねる(発令所を盗聴しているように)〕
ゼーレ:ヒトは愚かさを忘れ同じ間違いを繰り返す
円形に並ぶモノリス群
ゼーレ:自ら贖罪を行なわねば、ヒトは変わらぬ
ゼーレ:アダムや使徒の力は借りぬ
ゼーレ:我らの手で未来へと変わるしかない
キール:碇、君はよき友人であり、
志を共にする仲間であり、理解ある協力者だった。
これが最期の仕事だ〔このセリフはカット。一考〕
初号機による遂行を願うぞ
隔壁を簡単にこわしていく弐号機
青 葉:装甲隔壁はエヴァ弐号機により、突破されていきます
日 向:目標、第2コキュートスを通過
碇 :エヴァ初号機に追撃させる
ミサト:はい
碇 :いかなる方法をもってしても
目標のターミナルドグマへの進行は阻止しろ
なおも降りていくカヲルと弐号機。カヲルの自嘲的な微笑み
ミサト:しかし、使徒はなぜ、弐号機を?
冬 月:もしや、弐号機との融合を果たすつもりなのか
碇 :または、破滅を導くためかだ
ケイジの初号機プラグ内でシンジ
シンジ:嘘だ!嘘だ!嘘だ!
カヲル君が彼が使徒だったなんて、そんなの嘘だ!
ミサト:(無線)事実よ。受け止めなさい
すねたように下を向くシンジ
ミサト:(無線)出撃、いいわね
下を向いたままのシンジ、顔を上げて
セントラルドグマを降下している弐号機とカヲル
カヲル:遅いな、シンジ君
ドグマを降下している初号機
ア ナ:エヴァ初号機、ルート2を降下、目標追撃中
プラグ内のシンジ。行き所のない怒り
シンジ:裏切ったな!僕の気持ちを裏切ったな!
父さんと同じに裏切ったんだ!
発令所、碇のいつものポーズ
青 葉:OFF初号機、第4層に到達。目標に接触します
*セントラルドグマ
プラグ内のシンジ、弐号機を確認して
シンジ:いた
カヲル:待っていたよ、シンジ君
シンジ:カヲル君!
*セントラルドグマ
互いの両手でつかみ合う2体のエヴァ
シンジ:アスカ、ごめんよ
お互いにプラグナイフを出し合う
それをさめた様子で見るカヲル
カヲル:エヴァシリーズ。アダムより生まれし人間にとって忌むべき存在。
それを利用してまで生き延びようとするリリン。僕にはわからないよ
弐号機が頭にナイフを突き刺そうとするのを止めようと、ナイフがぶつかる
シンジ:カヲル君!やめてよ!どうしてだよ!
カヲル:エヴァは僕と同じ体でできている
僕もアダムより生まれしものだからね。
魂さえなければ同化できるさ。この弐号機の魂は今、
自ら閉じこもっているから
流れたナイフの先が少年に向かう
あっとなるシンジ
だが光と共に弾かれる
シンジ:ATフィールド!
カヲル:そう、君達リリンはそう呼んでいるね
何人にも犯されざる、聖なる領域。心の光
リリンも分かっているんだろう?
ATフィールドは、誰もがもっている心の壁だということを
シンジ:そんなのわかんないよっ!カヲル君!
ナイフを初号機の左胸に突き刺す弐号機
激痛をこらえ気力を振り絞るシンジ
ナイフを弐号機の首に突き刺す初号機
*発令所
アナ男:エヴァ両機、最下層に到達
アナ女:目標、ターミナルドグマまであと、20
ミサト、日向の耳元に顔を近づけて
ミサト:初号機の信号が消えて、もう一度変化があったときは
日 向:分かってます。そのときは、ここを自爆させるんですね
サードインパクトが引き起こされるよりはましですからね
ミサト:すまないわね
日 向:いいですよ。あなたと一緒なら
ミサト:ありがとう
ナイフを互いに差し合ったまま、狭い縦坑を落ちていく両機
振り返り、哀しそうな目でそのさまを見ているカヲル
カヲル:さだめ..か。人の希望は、悲しみで綴られているね
目を閉じる少年
*発令所
青 葉:目標ロスト!
ミサト:どういうこと?
日 向:これまでにない、強力なATフィールドです
青 葉:光波・電磁波・粒子も遮断しています
なにもモニターできません
ミサト:まさに結界か...
伊 吹:目標、及びエヴァ初号機、弐号機、共にロスト!
だめです! パイロットとの連絡もとれません!
赤い空が描いてある天井。縦穴から2体のエヴァが落ちてきて、底で激突
シンジ:カヲル君!
哀しげな目をしたまま、先に進む少年。見ただけでOPENになるロック
シンジ:待って!
*発令所
青 葉:最終安全装置解除!
日 向:ヘブンズドアが開いていきます!
ミサト:ついにたどりついたのね、使徒が
握り締めるミサトの手のアップ
ミサト:日向君
黙ってうなずく日向。
突然の警報。モニター
〔シンジのインサート〕
シンジ:なんだ?
ミサト:状況は?
日 向:ATフィールドです
青 葉:ターミナルドグマの結界周辺にさっきと同等のATフィールド発生!
伊 吹:結界の中へ侵入していきます
ミサト:まさか新たな使徒?
青 葉:だめです、確認できません....あ、いえ、消失しました
ミサト:消えた? 使徒が?
**ターミナルドグマ
に立つ人影、レイ
アダムの前に浮くカヲル
カヲル:アダム。我等の母たる存在。
アダムに生まれしものは、アダムに還らなければならないのか?
人を滅ぼしてまで
アダムを見つめるカヲル。眉をしかめる
カヲル:違う。これはリリス...
そうか、そういうことか。リリン
LCLに落ちる弐号機。その後から姿を表わす、初号機
微笑む少年。空中のカヲルを右手でつかむ初号機
カヲル:ありがとう、シンジ君
LCLの中の弐号機
カヲル:弐号機は君に止めておいてもらいたかったんだ。
そうしなければ、彼女と生き続けてたかもしれないからね
シンジ:カヲル君、どうして....
カヲル:僕が生き続けることが、僕の運命だからだよ。結果人が滅びてもね
だが、このまま死ぬこともできる。生と死とは等価値なんだ
自らの死、それが唯一僕の絶対的自由なんだよ
シンジ:何を...
カヲル君、君が何をいっているのかわからないよ
カヲル君!
カヲル:遺言だよ
さあ、僕を消してくれ。そうしなければ君らが消えることになる
滅びの時を免れて、未来を与えられる生命体はひとつしか選ばれないんだ
そして、きみは死すべき存在ではない
ふっと、視線を感じて目線を上げる「そうだろ」といっているような顔
「そうね」といっているような顔のレイ
微笑むカヲル
カヲル:君達には未来が必要だ
(間)
カヲル:ありがとう。君にあえて、うれしかったよ
(長い間)
つぶれる音。LCLに落ちた首のシルエット
[テロップ] つづく
〔"--25話"を追加させることに伴って、多少、時間の余裕ができたので
ボツを復活させることもアリですが、終わりはここにします。
一応、元のやつを残しておきます。"--25話"にそのまま引き継がれていますが
〕
**ゼーレの会議室〔ボツを復活〕
並ぶモノリス
キール:アダムの子供である、使徒はすべて滅んだ。残った最後の使徒は
我々人類だけだ。リリスに魂を宿し、不浄な世界を浄化する
約束の時は来たのだ
**発令所〔ボツを復活〕
冬 月:時は満ちたな
碇 :ああ、すべては終わり、これから始まるのだ
**荒野〔残したいが、時間的に無理であろうと思われる。カット〕
きれいな夜空。波の音
少年と初めて会った場所。彼と会った場所で、座っているシンジ
湖に飛び込んで自殺しようとしていたのをミサトに助けられた
そのためびしょ濡れのシンジ
ポツリポツリと話しはじめる。傍らに立つミサト
シンジ:カヲル君が、好きだって言ってくれたんだ...僕のこと
初めて、初めて人から、好きだって、言われたんだ
僕に似てたんだ。綾波にも
好きだったんだ
生き残るならカヲル君のほうだったんだ。僕なんかよりずっと
彼のほうがいい人だったのに
カヲル君が生き残るべきだったんだ
ミサト:だから?
シンジの濡れた服をつかみ
ミサト:だから彼のように生きる意思も放棄して、
見せかけの希望すがろうっての?
ミサト:〔吐き捨てるように〕違うわ
生き残るのは、生きる意思を持ったものだけよ
1999.12.26
1999.12.28 アイキャッチの英文にピリオドを忘れていたので修正。
--25話アップに伴って、ラストを修正。フッタの変更
2000. 1.12 くすさんの『新世紀エヴァンゲリオン+』の影響で
「カヲルの個室」にセリフ追加。一部に改行を追加