Yes, we love HTML までで,おそらく“ひととおり”HTML を書くに困らないスキルを身につけていただけたと思う。もしかしたら,すでにあなたは,世界に向けての情報を発信し,はじめ無機的な回線のつながりがやがて有機的な人とのつながりに変わっていくようすに目を細めているかもしれない。それと同時に,インターネットという共有のネットワークにあっての責任に,襟元を正しているかもしれない。
閑話休題,このチュートリアル“Always with HTML”では発信するスキルにとどまらず,受信されることを考慮した HTML を中心に解説を進めていこう。より直感的なアクセスを可能にするイメージマップ。検索,ナビゲーションが効率的に行われるような文書情報。CGI を利用したインタラクティブなサイトを構築するのに必要になるフォーム。
情報は発信され,受信される。情報化社会が謳われその中でも,莫大な情報の坩堝となっている WWW では,情報の取捨選択はとりわけ重要であることはよくご存じのことと思う。必要なとき,必要な人が,必要な情報を取り出せるような環境を整えることが肝要であろう。
さて,今までこのチュートリアルで使っていた“ブラウザ”ということばのかわりに,“ユーザエージェント”(以下,UA)というもう少し広い意味のことばを使うことにしよう。UA とは,“ユーザの代理人”であり,ここでは,特に,ブラウザを含む,HTML を解釈しうるアプリケーション全体をさす。これまではブラウザからブラウザへの情報伝達を考えていたが,これ以外の,たとえばサーチエンジンにおけるロボット(WWW を自動巡回し,文書情報を収集するプログラム)のようなものも考えなくてはならない。実際,今までの“ブラウザ”というなじみの深い表現は,すべて UA と言い換えたほうが適切なのである。
それではそろそろ,“Always with HTML”を始めるとしよう。あなたが WWW を渡り歩くにしても,WWW において情報発信をするにしても,そこにはいつでも HTML がある。