WWW パブリッシングの世界に登場した Cascading Style Sheets(カスケーディングスタイルシート:CSS)とはなんだろう?
手近な書籍を広げてみよう。いま目にしているページを構成する視覚的な,もっと平たくいうと,デザインの要素はどんなものがあるだろうか。
まずは,文字の大きさ,それから,フォントまたはその書体。カラーだったら,文字の色もあるかもしれない。そのほかにも,行間,文章や図版の配置,囲み記事がある場合などは枠,ひょっとしたらその中が網掛けしてある場合もあるだろう。
ほかにも探せばたくさんある。CSS が話題にするのはこういった“デザインのファクタ”なのである。HTML で書かれた文書を CSS を使ってデザインするのである。
要するに,この CSS を使うことにより,今までより多彩な視覚表現を実現することができるのである。これにより,ワープロや DTP にも劣らないくらいの表現が HTML によって可能になるのだ。
このチュートリアルにも CSS が用いられている。今までとちょっと違った体裁の WWW ドキュメントの作成もできる。
CSS のもうひとつの目的は,“構造”と“表現”とを分離することにある。これについてはあとで触れるが,表現優先になりがちだった HTML の軌道修正をするのも CSS の役割である。
堅苦しいこと,細かいことは抜きにして,まずはこの“First step CSS”で CSS の世界に踏み出してみよう。
CSS を使うことで,WWW パブリッシングはより便利に,華やかに,そして効率よくなるに違いない。