Hop step XHTML―ホップ ステップ XHTML

Section 8:テキストモジュール(1)

 テキストモジュールには,文書記述のための基本的な要素が含まれる。まずは,その中から,ブロック要素を取り上げて解説していく。

パラグラフ:p 要素

 これはもうおなじみであろう。p 要素は,パラグラフ(段落)を表すブロック要素である。ブロック要素であるから,body 要素の直下に出現できる。

内容モデル
(#PCDATA | %Inline.mix;)*
テキストとインライン要素

 内容モデルは,テキストおよびインライン要素である。属性としては,以下のように基本的なものを持つ。

p 要素の属性
属性名属性値備考
コア属性
style 属性
国際化に関する属性
イベント属性

見出し:h1h2h3h4h5h6 要素

 h1h2h3h4h5h6 要素は,見出しを表すブロック要素である。“h”に続く数字が“見出しの重要性”を表し,小さいほど重要な見出しを表す。たとえば,

  • h1 要素を節(section)の見出しとすると,
  • h2 要素は項(subsection)の見出し,
  • h3 要素は目(subsubsection)の見出し

のように考えられる。

 内容モデルおよび属性は以下のとおり。

内容モデル
(#PCDATA | %Inline.mix;)*
テキストとインライン要素
h1h2h3h4h5h6 要素の属性
属性名属性値備考
コア属性
style 属性
国際化に関する属性
イベント属性

ブロックコンテナ:div 要素

 div 要素はブロック要素のひとつであるが,他の多くの XHTML の要素と異なり,それ自身が特定の意味の構造を表さない。すなわち,特に意味付けをすることなく文書の部分をまとめたり,範囲を示したりするのに用いる。

 内容モデルは,以下のように,多くのブロック要素とは異なり,テキストとフローであることに注意しなければならない。つまり,ブロック要素をまとめてひとつの部分を作るのに使用できるということである。

内容モデル
(#PCDATA | %Flow.mix;)*
テキストとフロー
div 要素の属性
属性名属性値備考
コア属性
style 属性
国際化に関する属性
イベント属性

 div 要素は,特に,ブロックレベルでスタイルシートを適用させるのに使用されることが多い。たとえば,次のように,1 つの XHTML ファイルの本文を,class 属性つきの div 要素で 3 つの部分に分ける。

<div class="header">
......
</div>
<div class="contents">

......
</div>
<div class="footer">

......
</div>

そして,それぞれの部分について,次のような CSS によるスタイルシートで異なるスタイルを適用させることができる。

div.header { ...... }
div.contents {
...... }
div.footer {
...... }

 また,スタイルシートに限らずとも,複数のパラグラフ,または文書の部分が特定の言語であるときに,次のように記述できる。

<div xml:lang="en">
<p>
......</p>
<p>
......</p>
.......
</div>

 インライン要素で,この div 要素に対応するのは span 要素である。

ブロック引用:blockquote 要素

 パラグラフ単位といった,まとまった引用には,blockquote 要素を用いる。

内容モデル
(%Block.mix;)+
ブロック要素(要素の内容が空であることは許されない)

内容モデルが“ブロック要素”であることに注意されたい。属性は,次のように,基本的な属性に加えて cite 属性が定義される。

blockquote 要素の属性
属性名属性値備考
コア属性
style 属性
国際化に関する属性
イベント属性
citeURI引用元の URI

 blockquote 要素の例は Let's begin XHTML の Section 10 に示してあるので,復習されたい。

 なお,パラグラフのような大きな単位でなく,パラグラフ中で文やフレーズを引用する場合は q 要素を用いる。

引用と著作権

 引用は,著作権法(第 32 条)によって認められている。以下がその条文である。

 公表された著作物は,引用して利用することができる。この場合において,その引用は,公正な慣行に合致するものであり,かつ,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。

すなわち,引用を禁止することはできない。ただし,引用に際して,以下の条件を守らなければならない。

  • 引用の必然性がなくてはならない。
  • 引用部分がそれとわからなければならない。
  • 引用部分は“従”であり,著作物の主たる部分となってはならない。
  • 出典を示さなければならない。

また,必要ならば,引用に際して翻訳も許される。