WWW ページは,内容を変更することもある。そのとき,どこをどのように変更したかを示すための要素も用意されている。
ins
要素 ins
要素は,その部分が(後から)挿入されたものであることを示す。
(#PCDATA | %Flow.mix;)*
属性名 | 属性値 | 備考 |
---|---|---|
コア属性 | ||
style 属性 | ||
国際化に関する属性 | ||
イベント属性 | ||
cite | URI | 挿入の理由を示したリソースの URI |
datetime | 日付と日時 | 挿入した日時 |
ins
要素は,Section 3 で示したように,ブロック要素とインライン要素のいずれにも属している。すなわち,ブロック単位の挿入とフレーズ単位の挿入のいずれにも ins
要素を使用する。たとえば,インライン要素としての ins
要素の使い方としては,
<p> 今後,メールボックスへのアクセスは,POP/SSL<ins>(通信路の暗号化)</ins>または APOP<ins>(パスワードの暗号化)</ins>を使用してください。</p>
一方,ブロック要素としてのins
要素の使い方は,
<p> 2004 年 4 月より,消費税込みの価格を示すことが義務付けられた。</p>
<ins> 実施より 1 年近く経つが,1 円未満の端数の扱いを中心に,混乱がまだ続いているように見える。</ins>
のようになる。
ins
要素の内容モデルは,文書型定義(DTD)では“(#PCDATA | %Flow.mix;)*
”であるが,この要素がブロック要素として振る舞うときと,インライン要素として振る舞うときでは,内容モデルが異なる。
よって,下記の例はインライン要素としての ins
要素の内容にブロック要素を含んでいるので,誤りである。
<p> 2003 年度より施行された高校の新学習指導要領により,2006 年実施のセンター試験の化学(化学 IB→化学 I)では,主に理論科学分野<ins>,特に,<ul><li>気体の性質</li><li>溶液の性質</li></ul>などの点</ins>で内容が少なくなる。</p>
cite
属性には,その部分を挿入した理由が示されている URI を記述する。
datetime
属性には,変更がなされた日付および時刻を示す。
ins
要素の datetime
属性には,その部分の変更がなされた日時を示す。このフォーマットは,次のようになっている。
YYYY-
MM-
DDT
hh:
mm:
ssTZD
ここで,
を表す。時刻の前につける“T
”は大文字でなければならない。タイムゾーンに関しては,次のように記述する。
Z
Z
”は大文字で記述。+
hh:
mm-
hh:
mm日本は 9 時間の進み時差なので,この部分は“+09:00
”である。
たとえば,“日本時間(9 時間の進み時差)2005 年 2 月 1 日午後 3 時 30 分ちょうど”は,
2005-02-01T15:30:00+09:00
と記述する。グリニッジ標準時に直すと,
2005-02-01T06:30:00Z
となる。
del
要素 ins
要素と対になる要素として,削除部分を表す del
要素がある。
(#PCDATA | %Flow.mix;)*
属性名 | 属性値 | 備考 |
---|---|---|
コア属性 | ||
style 属性 | ||
国際化に関する属性 | ||
イベント属性 | ||
cite | URI | 挿入の理由を示したリソースの URI |
datetime | 日付と日時 | 挿入した日時 |
挿入部分でなく削除部分を表すという,役割が異なる点を除いては,文法的には del
要素は ins
要素と同じである。すなわち,ブロック要素でもインライン要素でもあり,ブロック要素として振る舞う場合はテキストとフローを,インライン要素として振る舞う場合はテキストとインライン要素を内容にとる。
属性も同様で,cite
属性には,その部分を変更(削除)した理由が示されている URI を,datetime
属性には変更がされた日時を記述する。
del
要素の例をご覧いただこう。
<p> 今後,メールボックスへのアクセスは,POP/SSL<ins>(通信路の暗号化)</ins><del datetime="2005-02-05T09:00:00+09:00">または APOP<ins>(パスワードの暗号化)</ins></del>を使用してください。<ins datetime="2005-02-05T09:00:00+09:00">2005 年 2 月 5 日より,SSL に一本化しました。</ins></p>
今後,メールボックスへのアクセスは,POP/SSL(通信路の暗号化)または APOP(パスワードの暗号化)を使用してください。2005 年 2 月 5 日より,SSL に一本化しました。