Part 1. Let's begin CSS : Chapter 1. “入門:CSS2”

1.12 文字の装飾

 ここでは,文字の装飾について,和文で文書を作成する際に基本的なプロパティを紹介していく。

フォントのスタイル:font-style プロパティ

 font-style プロパティ は,イタリック体斜体といった文字の装飾を担う。すなわち,現在のフォントファミリの中の,イタリックフェイスまたは斜体のフェイスを指定するプロパティである。

font-style: キーワード;

このプロパティは,

  • すべての要素に適用される。
  • 初期値は,キーワード normal である。
  • その要素で font-style プロパティを指定しなかった場合,それまで(親要素)と同じフォントスタイルになる。

 与えられるキーワードは,次のうち 1 つである。

normal
正体。イタリック体でも斜体でもないフェイス。
italic
イタリック体。一般に,正体より“続け字”ふうの印象がある。
oblique
斜体。一般に,正体より“傾いた”フェイスである。
イタリック体は,より草書的であるが,斜体は正体を傾けたフェイスである。

 ここで,“イタリック体と斜体は別物なのか?”という疑問をお持ちになるかもしれないが,結論からいうと別物なのである。図の (1) および (2) の,(a) に示された正体に対して,(1)(b) は斜体,(2)(b) はイタリック体といえる。

 環境によっては,italic を指定しても oblique に相当するフェイスが選ばれることがある。

 例をご覧いただこう。

H1 { font-style: italic; }
EM { color: red; font-style: normal; }

<H1>欧文・和文とフォント</H1>
<P> 和文フォントは,欧文フォントに比べてそのバリエーションがきわめて少ない。これは,<EM>字母の数がひじょうに多い</EM>という理由が多分にある。</P>

欧文・和文とフォント

 和文フォントは,欧文フォントに比べてそのバリエーションがきわめて少ない。これは,字母の数がひじょうに多いという理由が多分にある。

IE4, 5, 5.5, 6; NN6; Op6
font-style プロパティに対する italic および oblique は,つねに同じものをさす。

フォントの太さ:font-weight プロパティ

 font-weight プロパティは,フォントファミリにおける,太さ(ウェイト)の異なるフェイスを指定するのに用いられる。

font-weight: キーワード;

このプロパティは,

  • すべての要素に適用される。
  • 初期値は,キーワード normal である。
  • その要素で font-weight プロパティを指定しなかった場合,それまで(親要素)と同じフォントの太さになる。

 キーワードとして与えられるのは,次のうち 1つである。

100200,……,900
この 100 刻みの数値は,一般に,より大きいものほど,より太い(より数値が大きいものは,より小さいものに比べて,少なくとも細くはならない)。
normal
通常の太さのフェイス。先の数値をキーワードとする場合の 400 と同じ意味である。
bold
ボールドフェイス。先の数値をキーワードとする場合の 700 と同じ意味である。
bolder
それまでの(親要素の)フォントの太さより太くする。
lighter
それまでの(親要素の)フォントの太さより細くする。

 キーワード bolder および lighter の振る舞いはひじょうに複雑なので,あとで詳しく述べることにする。

 例をご覧に入れよう。

P { font-family: Times, "Times New Roman", Century, serif; font-weight: normal; font-size: medium; line-height: 1.3; }
EM { font-style: normal; font-weight: bold; }
STRONG { font-weight: 900; }
Q { font-style: italic; }

<P>Production is <EM>differential of resources</EM> -- of course. It's been growing year by year while (thus) resources are reducing and reducing. If we use up resouces, what will happen? If you mind it, <STRONG>we must make the best effort to avoid it</STRONG> as a professor emphasized: <Q>We <STRONG>MUST</STRONG> find the direction of engineering of the twenty-first century and change to it, as soon as possible.</Q></P>

Production is differential of resources -- of course. It's been growing year by year while (thus) resources are reducing and reducing. If we use up resouces, what will happen? If you mind it, we must make the best effort to avoid it as a professor emphasized: We MUST find the direction of engineering of the twenty-first century and change to it, as soon as possilbe.

 この例からもわかるように,font-weight プロパティおよび font-style プロパティは互いに独立に文字の装飾を行う。すなわち,太字にしてイタリック体が解除される,というようなことは起こらない(ただし,太字かつイタリック体というフェイスが使用不能の場合はこの限りではない)。■