最近の WWW パブリッシングでは,スタイルシートなるものを使うと“魅せる”ページになるらしい,ということを少なからず目にした,または耳にした方が多かろう。この“スタイルシート”というしくみを使うためには,一般にカスケーディングスタイルシート(CSS)という言語を使う必要がある。
ところが,この CSS というものは,書き方が一見プログラミング言語そっくりなのである。これなら今までのように <FONT SIZE="...">
なんて書いたほうが楽なんじゃないかとも思ってしまう。
でも,このスタイルシートを使うことは,“魅せる”ページになるということ以上に“いいこと”がある。慣れないものを扱うとき,誰もが煩雑に感じたり,前のままでよいと思ったりしてしまう。まずは,ちょっと我慢して,“魅せる”ページづくりのスキル習得に精進してみよう。CSS が難しそうに見えるのは“こけおどし”である。たしかに,深い部分はそれなりに難しいが,この見かけの難しささえ克服すれば,CSS は気軽に使えるようになる。そして,後から気がつくと,スタイルシートの“いいこと”の恩恵に思い切り浴しているだろう。
それでは,まず,第 1 部“Let's begin CSS”では,ブラウザ出力にターゲットを絞って,CSS の基本およびそのおもな機能をひととおり眺めてみよう。難しい話は抜きにしても,CSS による強力な WWW デザインの一端を味わうことができる。
“Academic HTML::CSS2”は,1998 年に W3C(WWW の標準化団体)から発表されたカスケーディングスタイルシート・レベル 2(CSS2)に準拠している。CSS2 は,現在(2001 年 1 月)代表的な WWW ブラウザが実用に支障のないレベルで実装しているカスケーディングスタイルシート・レベル 1(CSS1)に続くものである。CSS1 に関しては,Academic HTML 4.0 のチュートリアルをご覧いただきたい。