ここまで,枠に関するプロパティを扱ってきた。ここでは,それらの短縮プロパティをいくつか紹介する。
枠のスタイル・太さ・色について,すべての辺をまとめて指定できる border-style
短縮プロパティ,border-width
短縮プロパティ,border-color
短縮プロパティはこれまで紹介してきた。ここでは,枠の各辺ごとに,スタイル・太さ・色を一括して指定する border-top
,border-right
,border-bottom
および border-left
短縮プロパティを紹介する。
border-top:
スタイル 太さ 色;
border-right:
スタイル 太さ 色;
border-bottom:
スタイル 太さ 色;
border-left:
スタイル 太さ 色;
これらのプロパティに与える値は,それぞれ短縮される前のプロパティ(border-top-style
,border-top-width
および border-top-color
など)に準ずる。また,プロパティの値は順不同で,スタイル・太さ・色のすべてを指定する必要はない(うち 2 つは省略してもよい)。ただし,省略された値は,そのプロパティの初期値が与えられたものとみなされる(つまり,“枠のスタイル”の指定を省略すると初期値 none
になるので枠は描かれない)。
たとえば,
border-top: thin solid #CCC;
は,次と同じである。
border-top-width: thin; border-top-style: solid; border-top-color: #CCC;
また,枠の太さを省略して,
border-bottom: dashed #F96;
と指定した場合には,枠の太さについては初期値が指定されたことになり,
border-bottom-width: medium; border-bottom-style: dashed; border-bottom-color: #F96;
と同じになる。
“枠の色”が省略された場合には,その初期値としてその要素の color
プロパティの値が用いられることになる。したがって,次のようなことが起こりうるので注意されたい。
color: blue; border-style: solid; border-color: red; border-bottom: medium double;
この場合,枠の下辺をのぞく 3 辺は赤,下辺は青になる。border-bottom
短縮プロパティで色を指定しなかったため,初期値の“その要素の color
プロパティ値”である青が用いられるのである。
border
短縮プロパティ 枠に関する短縮プロパティとしては,もうひとつ,border
プロパティがある。
border:
スタイル 太さ 色;
border
短縮プロパティは,枠の全辺のスタイル・太さ・色を一括して指定する。3 つの値は順不同で,すべてを指定する必要はないが,省略した値は初期値とみなされる。ただし,スタイル・太さ・色ともに,それぞれ 1 つの値しか与えることはできず,それが全辺に反映される(4 辺それぞれを指定できる padding
短縮プロパティとは異なっている)。すなわち,4 辺について別々の枠の指定を行いたい場合には,border
短縮プロパティを用いることはできない。
border
短縮プロパティを用いた例をあげておこう。
H3 { border: thin groove #6F9; background-color: #9FC; padding: 0.3em; }
P { border: thin inset #DDD; background-color: #DDD; padding: 0.3em; line-height: 130%; }
CODE { border-bottom: thin dotted black; /* 短縮プロパティで下辺のみに枠を指定 */ }
<H3>DNS サーバ</H3>
<P> DNS サーバは,ホスト名と IP アドレスの相互変換を行うサーバである。指定した DNS サーバでこのサービスが動いていないと,指定したホストに到達できなくなるため,Web の閲覧ができなくなったり,メールの送受信ができなくなったりする。DNS サービスが動いているかは,<CODE>nslookup</CODE> などのコマンドで知ることができる。</P>
DNS サーバは,ホスト名と IP アドレスの相互変換を行うサーバである。指定した DNS サーバでこのサービスが動いていないと,指定したホストに到達できなくなるため,Web の閲覧ができなくなったり,メールの送受信ができなくなったりする。DNS サービスが動いているかは,nslookup
などのコマンドで知ることができる。