箇条書きには,Hello world HTML の Section 7 で紹介した“順序なし箇条書き(<UL>...</UL>)”“順序あり箇条書き(<OL>...</OL>)”のほかに,“見出しをつけた箇条書き”という形式がある。
“もうひとつの箇条書き”というのは,辞書などに見られる箇条書きのようなもの。つまり,見出しになる“用語”,ついでその用語の“定義”を並べていく形式で,定義リストとも呼ばれる。辞書を作ることだけが目的ではないので,ふつうは“見出し”があって,“それに対応する文章”が書かれる。“見出し”と“それに対応する文章”が必要であるという点で,前の 2 つに比べるとやや複雑。
まず,箇条書きする範囲を“ここから〜ここまで見出し付き箇条書き”としてくくる。
<DL>...</DL>
全体が“文のまとまり”と同等の扱いになる。つまり,この前後は自動的に改行される。この <DL>...</DL> の中に“見出し”と“見出しに対応する文章”とを書く。次に,“見出し”は,
<DT>...</DT>
とする。さらに,“見出しに対応する文章”は
<DD>...</DD>
で書かれる。“ここまで”にあたる </DT> または </DD> は省略してもよい。ただし,</DL> は必須である。
注意しなければならないのは,順序なし・順序あり箇条書きでの <LI> に相当するものが,<DT> と <DD> の 2 つに増えていること。“見出し”と“文章”とを列挙する箇条書きであるから,これら 2 つが必要なのは当然だ。
したがって,見出し付き箇条書きは,
<DL>
<DT>...
<DD>...
<DT>...
<DD>...
.....
</DL>
というふうに“呪文”をかけながら書いていくことになる。なお,<DT> や <DD> が 2 つ以上続けて出てきても不都合はない。
ちなみに,<DL> とその中の最初の <DT> の間に文字を書くことはできない。
<DL>
日本語の動詞の活用
<DT>五段活用
<DD>空く,書く,咲く,炊く,など。
...(以下略)...
実際に例を見て確認してみよう。
<P>作家である深田久弥は登山家としても有名で,著書に「日本百名山」がある。</P>
<DL>
<DT>槍ヶ岳
<DD>三千メートルを越える高さと言い,颯爽とした鋭い形と言い,わが国の山の中で最もユニークな存在である。
<DT>北岳
<DD>この北岳の高潔な気品は,本当に山を見ることの好きな人だけが知っていよう。
<DT>剣岳
<DD>北アルプスの南の重鎮を穂高とすれば,北の俊英は剣岳であろう。
<DT>白馬岳
<DD>いわゆる白馬三山が白銀に輝いているのを仰いでは,その気高い美しさに打たれずにはおれないだろう。
</DL>
作家である深田久弥は登山家としても有名で,著書に「日本百名山」がある。
(参考資料:日本百名山 1964;新潮社)
さらに,箇条書きは入れ子(たとえば,<DL>...</DL> の内側でさらに <DL>...</DL> を使う)にしたり,他の箇条書きと組み合わせて使うこともできる。次の例では,見出し付き箇条書きの中に,順序なし箇条書き <UL>...</UL> と,順序あり箇条書き <OL>...</OL>を使っている。
<DL>
<DT>準備するもの
<DD>
<UL><LI>地図<LI>雨具<LI>カメラ</UL>
</DD>
<DT>日程
<DD>
<OL><LI>出発 07:00<LI>頂上 11:30<LI>下山 15:00</OL>
</DD>
<DT>注意点
<DD>落石や落雷</DD>
</DL>
<UL>,<OL>,<DD> はいずれもインデントで表現されることが多いが,これを字下げする目的で使ってはいけない。あくまでも,文書において“箇条書き”である,と書き手が示したことが大切なのであって,それは“インデントしなさい”という主張では決してないのである。
見出し付きの箇条書きは <DL>...</DL> の中に,<DT> で見出しになる“用語”,さらに <DD> でその用語の“定義”や説明を書いていく。他の箇条書きと併用することもできる。