草書系・筆書系書体は,続け字風・手書き風の書体である。一般フォントファミリとして,“cursive
”で総称される。
Windows Me,2000,XP に標準インストールされているほか,Internet Explorer とともにインストールされる,手書き風の欧文書体。1995 年にデザインされた新しい書体である。名前が示すように,もとはマイクロソフト社製ソフトウェアで使用される“吹き出し”の書体としてデザインされた。ファミリ名は“Comic Sans MS
”。
Optima をデザインしたハーマン・ツァップ(Hermann Zapf)による。ファミリ名は“Zapf Chancery
”。
URW++ 社の 35 の無償フォントにも Zapf Chancery 互換フォントが“URW Chancery L”として含まれている。ただし,これは上に掲げたような
Mac OS X に標準で搭載されている草書系(スクリプト)書体。1942 年のデザイン。Mac OS X にインストールされているもの(モノタイプ社製)のファミリ名は“Brush Script MT
”。ビットストリーム社のものは“Brush Script BT
”。
Mac OS にインストールされている書体のひとつ。ファミリ名は“Apple Chancery
”。
1990 年,アドリアン・フルティガーによってデザインされた。1 世紀の,粘土板に書かれた文字をモチーフにしている。
Mac OS X にインストールされている書体のひとつ。ファミリ名は,“Herculanum
”。
20 世紀を代表するグラフィックデザイナである,マックス・カフリッシュ(Max Caflisch)の書き文字をもと,ロバート・スリムバックが設計したスクリプト書体。
1992 年に発表された。ロバート・スリムバックのデザイン。イタリアルネサンス期の公文書の手書き文字をモデルにしている。いくつかバリエーションがある。上に示したものは,“Chancery I”。
直立体のスクリプト書体で,イタリアルネサンス期の書き文字に基づいている。ロバート・スリムバックのデザイン。
有名なカリグラファ,ヨビツァ・ベリョビッチ(Jovica Veljovic)の書き文字をもとにしたスクリプト書体。力強くバランスのとれた書体である。
イギリスの習字教師,チャールズ・スネル(Charles Snell)の書き文字をもとにしたスクリプト書体。優雅な雰囲気をもち,明快で読みやすいという特徴がある。
ビットストリーム社から,同じ字母を持つ(=ほぼ同一のデザインの)“Roundhand”がリリースされている。
1937 年のデザイン。低いエックスハイトが特徴の,リボン系スクリプト書体。エックスハイトの低さゆえ,小さな文字には不向きで,サイズの大きい見出しなどに向く。
ミッドレンジ以上のプリンタにインストールされていることがある。ビットストリーム社による代替書体は,“Ribbon 131”。
Optima,Zapf Chancery をデザインしたハーマン・ツァップによる。ペンで書いた流麗な書体で,字形の異なる“Zapfino One”,“Zapfino Two”,“Zapfino Three”,“Zapfino Four”,“Zapfino Ligature”を組み合わせて使用する。また,飾り文字の“Zapfino Ornaments”も含まれる。Mac OS X に付属する。
上に示した見本は“Zapfino One”のみで組んだもの。
1989 年のデザイン。セリフと直線的な字画を持ち,小文字のグリフがひじょうに独特なスクリプト書体。
ミッドレンジ以上のプリンタにインストールされていることがある。
Zapf Chancery や Poetica と同様の雰囲気を持つ。字幅が狭く,大文字の高さ(キャップハイト)がひじょうに低い点が特徴である。
ミッドレンジ以上のプリンタにインストールされていることがある。
明るく明快な雰囲気で,読みやすい,ハンドレタリングをもとにした書体。1989 年のデザイン。建築・技術図面で重用される。
ミッドレンジ以上のプリンタにインストールされていることがある。
Microsoft Office 2003 に付属する。1981 年のデザイン。Brush Script に比べると,線が均一。
Microsoft Office 2003 に付属する。1979 年のデザイン。装飾性の強いスクリプト書体で,Office に付属するのは“Harlow Solid”で,オリジナルの Harlow は影つき文字。
Microsoft Office 2003 に付属する。1940〜1950 年代の,カジュアルな雰囲気を持つ。
Microsoft Office 2003 に付属する。端的に言えば,“ヘタウマ”。これをデザインしたジョージ・リャン(George Ryan)は,“近所のレストランのメニューボード”からこのデザインをひらめいたという。ベースライン・アセンダ・ディセンダといった英字の基本のラインがあいまいである。
Microsoft Office 2003 に付属する。流麗なカリグラフ書体。エックスハイトが低いので,大きなサイズで使うとよい。
Microsoft Office 2003 に付属する。Lucida シリーズのひとつ。可読性が考慮されたカリグラフ体。
Microsoft Office 2003 に付属する。Lucida シリーズのひとつ。ブラックレターふうのスクリプト書体。ブラックレターの使い方にのっとって,大文字を連続させて使用しない。
Microsoft Office 2003 に付属する。幾何的なデザインが特徴的なスクリプト書体。
Microsoft Office 2003 に付属する。1938 年ごろのデザイン。直立体の鋭角的でデザイン,太い字画が特徴的。Office に付属しているのは大文字がカリグラフ体ふうになっている“Matura Script Capitals”。