Hop step XHTML―ホップ ステップ XHTML

Section 22:リンクモジュール(1)

 文書間の関係を示したり,スタイルシートを取り込んだりするのに link 要素が使われる。本節と次節では,この要素を詳説する。

文書間の関係:link 要素

 Let's begin XHTML の Section 14 で紹介したように,link 要素は,主に文書間の関係を表す要素である。head 要素の内容として現れ,内容をもたない(空要素タグで書く)。

内容モデル
EMPTY

 この要素は空要素で,属性を用いて利用する。

link 要素の属性
属性名属性値備考
コア属性
style 属性
国際化に関する属性
イベント属性
charset文字エンコーディングhref 属性で示されたリソースの文字エンコーディング
hrefURI参照先の URI
hreflang言語コード参照先の URI のリソースが何語で書かれているかを与える
typeメディアタイプ参照先の URI のリソースのメディアタイプ
rel関係その文書から見た,参照先の URI のリソースの関係
rev関係参照先の URI のリソースから見た,その文書の関係
mediaメディア参照先の URI が,どんなメディア向けかを表すキーワード

 一般に,次のような書式で用いられる。

<link rel="..." href="..." />
<link rev="
..." href="..." />

 rel 属性には,href 属性の文書(リソース)を,“現在の文書”から見たときの関係を記述する。一方,rev 属性には,href 属性の文書(リソース)から見たときの,“現在の文書”の関係を記述する。属性に与えられる値と与え方の詳細は,Section 13 を参照されたい。

 いくつか基本的な例を見ていこう。

 この文書,Hop step XHTML の Section 22 の文書の,

  • “次の文書”は Section 23(hsxh23.htm
  • “前の文書”は Section 21(hsxh21.htm
  • “目次の文書”はこのディレクトリの既定のページ(./

である。これは,次のように記述される。

<link rel="next" href="hsxh23.htm" />
<link rel="prev" href="hsxh21.htm" />
<link rel="contents" href="./" />

 また,あるページに対して,言語の異なる代替ページがある場合,次のように記述する。

<link rel="alternate" href="index-en.htm" hreflang="en" />
<link rel="alternate" href="index-fr.htm" hreflang="fr" />

 参照先の文書の文字エンコーディングがわかっている場合は,それを付記することも考えられるだろう。

<link rel="alternate" href="index-en.htm" hreflang="en" charset="ISO-8859-1" />
<link rel="alternate" href="index-fr.htm" hreflang="fr" charset="ISO-8859-1" />

 ページ制作者について,次のような記述がされることがある。

<link rev="made" href="mailto:hexane&#x40;tg.rim.or.jp" />

このとき,メールアドレスの記述において,収集対策をするようにしたい。

 media 属性とスタイルシートに関しては,それぞれ次項および Section 23 で改めて説明する。

media 属性

 link 要素の media 属性には,参照先の URI の文書(リソース)が,どんなメディアに適しているかを与える。次のような語を与える。これらは,大文字と小文字を区別する。

screen
ページ区切りのない,コンピュータ画面向き。
tty
端末(コンソール),表示能力の低いモバイルデバイス向き。
tv
テレビ画面(コンピュータ画面より解像度の低いカラーdhスプレイ)向き。
projection
プロジェクタ投影向き。
handheld
携帯デバイス向き(小画面,モノクロ,狭帯域)向き。
print
ページ区切りのある主に印刷出力,または印刷プレビュー画面向き。
braille
主に視覚に不自由のある人向けの,力覚フィードバックがある提示装置向き。
aural
音声合成装置(スクリーンリーダなど)向き。
all
すべてのデバイス向き。

複数のメディア向けである場合は,半角カンマ「,」で区切って与える。

 たとえば,代替情報(リソース)として,印刷向けの PDF を用意している場合,次のように記述する。

<link rel="alternate" href="document.pdf" title="PDF 版(印刷用)" type="application/pdf" media="print" />

 media 属性は,スタイルシートの適用にも重要な役割を持ってくる。

link 要素と文書情報

 link 要素は,文書情報の記述にも用いられる。

 たとえば,Section 20 で見たように,Dublin Core によるメタ情報の記述において,値が URI になる場合は,meta 要素の替わりに link 要素を使用するのであった。

<link rel="DC.relation" href="http://www.tg.rim.or.jp/~hexane/ach/lbxh/" />

 また,メタ情報の接頭辞(名前空間)の宣言についても,link 要素を使用した。

<link rel="schema.DC" href="http://purl.org/dc/elements/1.1/" />
<link rel="schema.DCTERMS" href="http://purl.org/dc/terms/" />

 ほかに,メタ情報が,たとえば RDF などで用意されている場合,次のように記述できる。

<link rel="meta" href="about.rdf" type="application/rdf+xml" />

なお,このように,rel 属性に“meta”を与える場合は,今のところ,head 要素に次のような profile 属性を与える。

<head profile="http://purl.org/net/uriprofile/" />

 XHTML 2.0 では,rel 属性に“meta”を,断りなく与えることができるようになる見込みである。