Hop step XHTML―ホップ ステップ XHTML

Section 20:メタ情報モジュール(2)

 本節では,メタ情報に関して,少し細かい点にも踏み込んで説明していく。また,メタ情報の与え方の枠組みとして,Dublin Core を紹介する。

メタ情報のプロファイル

 head 要素には,profile 属性がある。これには URI を与え,メタ情報を与える枠組み,メタ情報に何を与えてどのように解釈するべきかを指定する。このプロファイルが,スキームと大きく関わることがある。

 次項で,ひとつのプロファイルの例として Dublin Core とその XHTML における利用を簡単に述べる。

Dublin Core によるメタ情報記述

 Dublin Core(ダブリンコア)は,標準化されたメタ情報の与え方のひとつである。

 Dublin Core の書き方に基づくメタ情報を XHTML に書き込む場合,head 要素profile 属性を次のように指定することになる。

<head profile="http://dublincore.org/documents/dcq-html/">

 Dublin Core のメタ情報は,要素の組で与える(XHTML の“要素”と用語がかぶっているが,ここでは必要ならば注釈を加える)。必要に応じて,スキームを加える。XHTML に埋め込むときは,

<meta name="DC.要素名" content="" />

のように書く。ここで,name 属性の接頭辞“DC”が Dublin Core のものであることを示すために(名前空間を示すために),次のような link 要素を記述しておく。また,スキームに接頭辞“DCTERMS”が現れるので,併せて記述しておく。

<link rel="schema.DC" href="http://purl.org/dc/elements/1.1/" />
<link rel="schema.DCTERMS" href="http://purl.org/dc/terms/" />

Dublin Core の要素

 さて,Dublin Core の要素であるが,基本的なものとして,以下の 15 種類がある。XHTML に,上記の形式で記述するときには,接頭辞“DC”をつけることに注意を促しておく。

title
その情報資源のタイトル。たいていは,正式なタイトル。
subject
その情報資源のトピック。キーワードやフレーズを列挙する。できれば,統制された語句のなかから選択したりするのが望ましい。
description
その情報資源の説明。概要・フリーテキストはもちろん,イメージ画像などへの参照などでもよい。
type
その情報資源のジャンルや性質。DCMIType というスキーム(語彙)を使用して記述することが望ましい。
source
その情報資源のもとになった情報資源への参照。
relation
その情報資源と関連のある情報資源への参照。
coverage
その情報資源の範囲や対象。地名,時代,統制された語句から選択したりするのが望ましい。
creator
その情報資源の作成にあたっての責任者。
publisher
その情報資源を提供している人・組織・サービス。
contributor
その情報資源の作成にあたって貢献した人・組織・サービス。
rights
その情報資源の権利に関する情報。
date
その情報資源に関する日時。多くは作成日または公開日。スキーマ W3CDTF を利用して,YYYY-MM-DD 形式などを使うことが望ましい。
format
その情報資源の形式。たとえば,メディアタイプやファイルサイズ。
identifier
その情報資源への,あいまいさのない参照。たとえば URI や ISBN コードを使うのがよい。
language
その情報資源で使われている自然言語。スキーマ RFC3066 として,HXTML で使われている言語コードと同じように使うのがよいだろう。

これらの中で,要素に対する値が URI になったら,meta 要素ではなくて link 要素を使う。Dublin Core 要素名は rel 属性に,値としての URI は href 属性に記述する。

<link rel="DC.relation" href="http://www.tg.rim.or.jp/~hexane/ach/lbxh/" />

 スキームは,scheme 属性に,接頭辞“DCTREMS”をつける。たとえば,日付で W3CDTF を使うと,次のように記述される。

<meta name="DC.date" content="2005-08-01" scheme="DCTERMS.W3CDTF" />

 また,type 要素の DCMIType スキームでは,ImageSoftwareSoundText などがあるが,XHTML 文書はテキストを中心に構成されるので,多くは Text を与えることになるだろう。

 そのほかにもスキームはあるが,本稿では省略する。詳しくは Dublin Core のサイトなどを参照されたい。

Dublin Core メタ情報の例

 ここでは,Dublin Core を使用して Hop step XHTML のメタ情報を記述してみる。

<head profile="http://dublincore.org/documents/dcq-html/">
<link rel="schema.DC" href="http://purl.org/dc/elements/1.1/" />
<link rel="schema.DCTERMS" href="http://purl.org/dc/terms/" />
<meta name="title" content="Hop step XHTML" />
<meta name="copyright" content="Copyright (C) 2004, 2005 Studio HEXANE, Japan" />
<meta name="keywords" content="XHTML, XHTML 1.1, HTML, ホームページ作成, WWW パブリッシング" />
<meta name="description" content="XHTML 1.1 tutorial: XHTML 1.1 チュートリアル,中級編。" />
<meta name="DC.title" content="Academic HTML::XHTML 1.1 - II Hop step XHTML" />
<meta name="DC.subject" content="XHTML, XHTML 1.1, HTML, ホームページ作成, WWW パブリッシング" />
<meta name="DC.description" content="XHTML 1.1 tutorial: XHTML 1.1 チュートリアル,中級編。" />
<meta name="DC.type" content="Text" scheme="DCTERMS.DCMIType" />
<meta name="DC.creator" content="Studio HEXANE" />
<meta name="DC.date" content="2005-08-01" scheme="DCTERMS.W3CDTF" />
<meta name="DC.format" content="application/xhtml+xml" />
<meta name="DC.language" content="ja" scheme="DCTERMS.RFC3066" />
<title>Hop step XHTML -- Introduction</title>
</head>

 そのほか,Dublin Core には,さらに詳細なメタ情報の記述の仕方などが定められている。ここではその入門を概説した。

 このように記述されたメタ情報は,必要に応じて自動処理で抽出され,別の形のメタ情報として組みなおされうる(たとえば RDF に組み込まれる)ことに触れておく。

XHTML における meta 要素以外のメタ情報

 meta 要素はメタ情報を記述する一般的な要素だが,それ以外にも文書の情報を表す要素・属性はある。

 たとえば,title 要素は,その文書のタイトルであり,メタ情報のひとつである。address 要素は,発信者について記すメタ情報である。ins および del 要素は,文書の変更を示す。

 属性としては,さまざまな要素に対して補足情報を title 属性で書き込むことができるし,blockquoteqins および del 要素cite 属性には,引用元または変更事由を示した URI を与えることができる。

 このほかには,文書の外部に,メタ情報のファイルなどを用意し,これを参照することができる(詳しくは,Section 22 で説明する)。