Appendix A : HTML の“お約束”

 本編ではあまり触れなかったけど,HTML にもちゃんと決まりがあるんです。ここではそういった中のごく基本的なものをご紹介。

大文字と小文字のはなし

 大文字と小文字は区別するのかしないのか。HTML 全体で見てみると“場合によりけり”。これじゃあどうしようもないので“呪文”と大文字・小文字について。

 HTML の“呪文”の名前は大文字と小文字の区別はない。たとえば,<TITLE><title> と書いても,<Title> でも,はたまた <TiTlE> でも同じものとみなされる。

 ついでに,<title> と書いたら“ここまで”は </title> じゃなきゃならないかというとそうではない。別に </TITLE> でも OK。ほかに,<A HREF="...">HREFhref と書いてお構いなし。

 でも,自分で後から読んでわかるように統一しておくといいんじゃないかな。

 HTML 4.0 または 4.01 では,上記のとおり,“呪文”に関して大文字・小文字を区別しないが,“HTML を XML の文法で書く”XHTML 1.0 では“呪文”に関してはすべて小文字でなくてはならない。XHTML への移行を目論んでいるのならば,小文字で書く習慣をつけておくといいかもしれない。なお,Academic HTML 4.0 では,とくに断らない限り,“呪文”に関しては大文字で表記することにする。

 ところが,URI(URL)はいっぱんに大文字と小文字を区別する。“呪文”と同じ調子で書いていると Not Found を食らうのでご注意を。それから,URL に全角文字は使わないように。つまり,WWW に公開するファイルのファイル名には全角文字はご法度。

空白と改行のはなし

 半角の空白はいくつ書いても 1個と同じ,改行は改行としての意味を持たない,というのは Section 3 でお話ししたとおり。

 これは“呪文”を書くときも同じで,半角の空白はいくつ入れても 1個と同じ,改行は半角空白と同じ扱いになる。

 たとえば,画像を貼り込むのは Section 8 で見たように,

<IMG SRC="..." ALT="...">

 だけど,この中の半角空白は次のように改行に置き換えても OK。

<IMG
SRC="..."
ALT="...">

 これで原稿が見やすくなれば,上のように書いてもよい。

 しかし,空白を入れるべきところに入れないで,入れてはいけないところにいれるのは NG。

< IMG SRC="..."ALT="...">

というのはいけない。なぜなら,「<」の直後は空白を入れないで“呪文”をかけなければいけないし,SRC="..."ALT="..." の間には空白を入れなければいけないからだ。

 空白と改行は同等だから,「<」の直後に改行したりというのも間違い。

ブラウザでの表示のはなし

 自分で書いた HTML ファイルを公開する前に,まずは見てチェックするだろう。そんなとき,どんなブラウザでも自分が今見ているのと同じに見えると思ってはいけない

 それは,Section 4 で見たように,HTML では見た目はそんなに大切でないから。だから,“1行は 40文字”と決めて行末に <BR> を乱発するのは実質意味がなく,よけいに見にくくなることがある。

 そんなわけで,HTML がブラウザに表示されるときは“呪文”の意味がくみとれるように勝手に処理してよいのである。もっとも,いろんなブラウザでだいだい同じになっているからさほど気にしなくてもよいのであるが。

 それで,ブラウザの中には賢いのがあって,ちょっとした“間違い”を適当になおして表示させてくれるものがある。これはこれでありがたいのだが,間違いを気づかずに別のブラウザで見られたときぎょっとするほど変になっていることがある。少なくとも,主要なブラウザを 2つくらいでおかしなところがないか確かめてから公開するようにしたい。