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[アイキャッチ]Take care of yourself.

<実写(TVCMより)>

*アスカのワンルームマンション

送電線
人の目
看板
空になっている客席
ポスト
電車

第3新東京市
揺れているブランコ
車窓から見た第3新東京市
人々が行き交う雑踏(朝がはじまっていくイメージ)


*ワンルームマンション室内

目覚めるアスカ(24歳)
6帖のワンルームマンション。(やたらと生活くさく)
隣の部屋(下手)からTVの音が漏れ聞こえている
裸の男(トウジ)が横で寝てる、そのベッドの上
上半身だけ起き上がり、ボーっとしてるアスカ
アスカ:夢?

散らかった床に、昨夜脱ぎ散らかしたままの服とブラ
起き上がるアスカ
隣で寝ている裸の男(顔は見せない)
アスカ:バカトウジ?

だらしなく寝ているトウジ(24歳くらい)
アスカ:(よくわからんけど神戸弁で)
    そっか、仕事帰りに飲んで、まぁたこいつと寝たんやっけ
アスカ:最近、合ったらすぐにアレばっかだし
    男なんて一回やらせると、いっつもそればっか
    他に考えることないのかしら
アスカ:ま、1回やったらあとはもう、100 回やっても、同じか

ムッと嫌な顔になるアスカ(口の中が気持ち悪い)
その辺に落ちてたパンツとシャツ(男物)着て、ベッドから出ていくアスカ


*洗面所

で、うがいしてるアスカ
アスカ:うっげぇ、ヤッダぁ〜。まだ口ん中に残ってるみたい
   :あのバカ、すぅ〜ぐこうやって、ウヤムヤにごまかしやがって
    その場しのぎだって、わかってんのに
   :なぁ〜んか、いつのまにかズルズルズルズル、同棲してんなぁ〜
    何でだろ


*コタツ(ミサトの部屋・アスカの隣)

で、目覚めるミサト
同じく、6帖ワンルームのマンション
(年期の入った感じ、更にやたらと生活くさく)
ミサト:夢?

ミサト:ヤな夢ェ。バランス取ってんのかしら、ストレスの
    いまさらあの男とうまくいくなんてね ‥‥ 絶対に、ありえないわ
ミサト:ま、夢ん中で現実のグチ云ってりゃ、世話ぁないか

隣(下手)からハデに漏れ聞こえる、男女の痴話ゲンカ
大阪弁の男(トウジ)と神戸弁の女(アスカ)である

うんざり顔のミサト
ミサト:(けだるそうに)ど〜ぉせまた、仲直りの儀式を始めるくせに
    馴れ合いのカップルが

痴話ゲンカが突如聞こえなくなる
ミサト:ホラ、準備にかかった

鳴る電話
コタツからズルズルとはい出て、うっとおしそうに取るミサト
ミサト:ああ、リツコ
ミサト:今度の休み? ああ、いいわよ、O..K、OK
リツコ:アラでも、予定あるんじゃなかったの?
ミサト:もち、キャンセル。今さら実家に帰んないわよぉ
    見合いなんかさせられたら最後じゃない

隣(下手)から『女の声』が盛大に漏れ聞こえてくる
リツコ:何? いい歳して、Hビデオ見てんの?
ミサト:まっさかぁ、お隣よ、お隣
    さかったネコみたいに、飽っきもせずまぁ、毎晩毎晩
    他にすることないのかしら、極楽なやつら
リツコ:あら、にぎやかで、いいじゃない
ミサト:人ごとだと思って
リツコ:でも、お隣さんの彼氏ってごく最近できたって聞いてたんでしょ
ミサト:そ、で、もうドーセーしてるみたいなのよ。この間から。
    わっかいくせにさ
リツコ:若いからできるんでしょ
ミサト:男は甘えさせてくれる母親を望み、女はその心地よさに酔ってる
    寂しいモンどおしの付け合わせのカップルよ。長持ちしそうにないわ
    もうすぐ修羅場ね、多分
リツコ:自らの経験を元にした推論ね
ミサト:一般論よ、一般論。
    母親がどうして子供を手放さないと思う?
    母親には子供が必要だからよ。 子供がいないと母親は存在できないわ
    それと同じよ、バッカみたい


*戸外

第2新東京市・全景〔可能であれば、薄い雪景色で〕
瓦屋根
電信柱
第2新東京市ロゴ入りの燃えないゴミ袋の山
町中の高圧鉄塔
踏切
駅前の自転車の群
カード電話の列


マンションの某所でバッタリと会い、挨拶と世間話をしている、ミサトとアスカ
お互いに、外面は良いらしく、表層的なハズむ会話をしている
(ミサトはゴミ袋付き?)

チャリリン、と自転車に乗った女性の背を追う、キャメラ
ガチャ、と自転車のスタンドを止める足のアップ
カションッ、と自転車の鍵を抜く手のアップ
自転車のネームプレートにアスカの住所とフルネーム(惣流明日香)
駐輪場
駅に向かって早歩きの、アスカの背

アスカ:もぉ〜 隣のオバさん、つっまんないことで、時間つぶさせやがって
   :チッ、今からじゃ、31分の特快には間に合わないか
    チョームカツキぃイっ

ガード上を通過する、リニアの音が響く


*勤め先

の、コピー室。ガーッとあちこちのコピー機の音がうるさく響く
に、立つ制服姿の二人の女性
コピー機の照り返しが、規則的に二人に当たっている

レ イ:(アスカは見ずに)別れたら? いっそ、その方がスゲー楽んなるわよ
アスカ:(レイは見ずに)そうスね、それもいいスね
レ イ:ま、安直な方法論だけどさ

   :あいまいにしたまま、いい顔ばっかしてると、ひどい目にあうわよ

   :思い詰めた男は、タチ悪いしね
   :そう、何すっかわかんないわよぉ
    ガッキのくせにさ
アスカ:先輩、何かあったんスか?


エレベーター
エスカレーター
昼食時屋上
近くのコンビニ
弁当屋・他等

レイ :いいじゃないの、ロマンといっしょに性欲満たされて
アスカ:そんな感じじゃないっスよぉ。色っぽいインナーも、最初のうちだけっス
    今ではゴム、びろーんチョの使い込んだヤツばっかだし
    一緒にいても、日常にどっぷり浸かって、
    ドンブラコって流されてる感じだしィ〜
アスカ:んもォ〜 全っ然、ロマンチックじゃないですっ

レイ :やっぱ、恋ってさぁ、TEL切った後に実感わくのよねぇ
アスカ:はぁ、そうなんですかぁ〜
レイ :ヤってる時ってさ、身体重ねるのが目的みたいで、
    なんかこう、ホンワァって来ないのよね
    ガツガツしちゃってさ、お互いに
アスカ:いっつもですね。いったん距離おいちゃうとぉ
    ホントに好きだったのかなぁ〜って、わっかんなくなっちゃうんですよね
   :好きだと無理やり思い込んでいただけなのかなぁ〜って思うのが
    毎度のパターン

アスカ:長続きしないんですね、私って。スタンス短いんスよ
レイ :あんた、冷たいけどすぐに情が移るだけでしょ
    それって、犬飼ってるのと同じなのよ

レイ :それに、男にやたらと勝手にいらぬ勘違いを与えるタイプだしね

アスカ:もうあいつ、すぐに
    「僕にはなにもない、バカだ」って逃げちゃってさ
レイ :そりゃ、自分から口に出して、馬鹿と云えば許される、と思ってんのよ
アスカ:いっつもこっちの同情をもらえる、と思ってやがるんですよ
レイ :そりゃ、言い訳を用意してないと、怖いのよ。後で自分が傷つくからさ

アスカ:うっとおしいんスよ、マジで。いちいち仕事先まで携帯鳴らしやがって
    で、逆に電話かけてこないときなんか、すっごいイラつく、
    チョームカツキィっ
レイ :(割と冷たく)あんた、それって、ただのワガママなんじゃないの


日常的な風景。その山の稜線奥に、高層ビル街
街中を歩いているアスカ。(信号待ち?)
の、背をずっと追っているキャメラ

シンジ:OFF アスカ

キャメラに振り向こうとするアスカ
瞬間、ローアングルで電柱の蔭に隠れるキャメラ(とっさに、脅えた感じで)
何事もなかったごとく、再び歩きだすアスカ

シンジ:OFF 僕がいない

ガッと突然、コマ送りが停止する、フィルム。(キャリキャリとモーターの空転音)
そのまま、ガガガッと無理して止まっている画面に、シンジの声がかぶる。
シンジ:OFF これは現実じゃない。僕がいない世界だ

暗転


**映画館〔#26′〕

満員の映画館で映画を観ている人々をPANしている
に、OFFでシンジのセリフ
シンジ:僕がいなくても、世界は変わらない
    僕との関係が消えただけに過ぎない
    そう、ここにも僕がいない

ちょうど、PANしていたカメラがスクリーンを捉えると
学園エヴァ(#26)が放映されている
それにかぶってセリフ(学園エヴァのセリフは弱く入る)

アスカ:バカシンジ
その声に、ハッと目が覚めるシンジ

自室のベッドの上であった
横に制服姿のアスカがおこった顔で立っている
〔画面はシンジだが呼び掛けはトウジの方がよいか?
 あるいは逆に、トウジなのに呼び掛けがシンジ
 あるいは、画面も呼び掛けもトウジにしておいたほうがよいか?〕
アスカ:よぉ〜やく、お目覚めね。バカシンジ
シンジ:(寝ぼけまなこで)なんだアスカか
アスカ:なんだとは何よ!
    こうして毎朝、
    遅刻しないように起こしに来てやっているのに
    それが幼馴染に捧げる、
    感謝の言葉ぁ〜?
シンジ:うん。ありがとう
    だから、
    もう少し、寝かせて‥‥‥
〔ここよりOFFで26′のセリフ。画面に合わせる必要はないです〕
アスカ:何、甘えてんの!
    うんもぉ〜〜、
    さっさと、起きなさいよ!
レ:都合のいい夢で、
  現実の復讐をしていたのね
パッと布団をはぐアスカ
真っ赤になる
シ:いけないのか?

シンジのセリフにあわせ
当人が振り返ったかのように、画面は後ろを見上げる
映画館の映写口。そこから光が見え、なお、映画がつづいている

レ イ:夢に逃げて、真実をごまかしていたのね


再び正面を向くと、スクリーンでは幕が降りはじめている
スクリーンは真っ白で、右下に黒で「終劇」と書かれている
シンジ:OFF 夢を見ちゃいけないのか!?

レ イ:OFF (左)それは、夢じゃない。
    ただの、幻想。
    ただの、現実の、埋め合わせよ

以下のインサート。瞬間的に
・「庵野殺す」が、一面に埋まるディスプレイ画面
・ガイナックスに書かれた「レイプマン」などのいたずら書き
・「すばらしい映画をありがとう」の手紙


幕の降りきったスクリーン
("The End of Evangelion" の上映をイメージしてます
 客席がぼーぜんとしているため、エンディングで人が立たない)

映画が終わってざわめく人々
帰っていくお客(一様に複雑な表情をしており、笑っている人はいない)


空になった映画館の客席(止め)
シンジ:OFF じゃあ、僕の夢はどこ?
レ イ:OFF (左)それは、現実の続き
シンジ:OFF 僕の現実はどこ?
レ イ:OFF (左)それは、夢の終わりよ

以下のインサート。瞬間的に
・エヴァを利用して宗教活動する教団
・サカキバラ事件


首から血を吹き出しはじめるリリス
〔インサート、続けるか?〕
ゆっくりと首がもげ、落ちていく


*湖の中?

水面と重なって見える満月
何も身につけず、裸のまま横たわるシンジ
シンジの上にまたがっている裸のレイ
シンジの胸に埋まり、一体化しているレイの両手
シンジの下半身とレイの下半身も一体化している
気づくシンジ
シンジ:はあっ
    綾波、 ココは?
レ イ:ココはLCLの海
    生命の源の海の中
    ATフィールドを失った、自分のカタチを失った世界

   :ドコまでが自分で、ドコからが他人なのか判らない、曖昧な世界
   :ドコまでも自分で、ドコにも自分がいなくなっている脆弱な世界

シンジ:僕は死んだの?
レ イ:いいえ
    全てが一つになっているだけ
    これがあなたの望んだ世界、
    そのものよ

シンジの指にかかっていたミサトのペンダントが浮かび出す
シンジ:でも、これは違う ‥‥‥‥‥‥
    違うと思う

レ イ:他人の存在を今一度望めば
    再び心の壁が全てのヒトを引き離すわ
    また、他人の恐怖が始まるのよ
シンジ:いいんだ

自分の胸に埋まっていたレイの両手を掴み、引き出すシンジ
引きだしたレイの手と握手をする
シンジ:ありがとう


*液体の中

レイに膝枕をしてもらっているシンジ
指にはミサトのペンダントがひっかかってゆれている
シンジ:あそこではイヤなコトしかなかった気がする
    だからきっと、逃げ出してもよかったんだ

    でも、逃げた所にもいいコトはなかった
    だって、僕がいないもの
    誰もいないのと同じだもの
カヲル:再びATフィールドが、君や他人を傷つけてもいいのかい?

シンジとレイの目の前に立つカヲル
シンジ:かまわない
    でも、僕の心の中にいる君たちは何?

シンジと少し離れて立っているレイとカヲル
畑の中に立っている制服姿の3人
LCLの中に次々と浮かび出る裸の人々
レ イ:希望なのよ
    ヒトは、互いに分かり合えるかもしれない、ということの

畑が次第に森になって、都市になっていく


*第3東京市の道路

背景が第3新東京市の道路に変わる
3人を避けて通る黒い人混み
カヲル:好きだという、言葉と共にね
シンジ:だけど、それは見せかけなんだ
    自分勝手な思いこみなんだ
    祈りみたいなモノなんだ
    ずっと続くはず無いんだ
    いつかは裏切られるんだ
    僕を、見捨てるんだ

シンジ:でも、僕はもう一度会いたいと思った
    そのときの気持ちは、本当だと思うから

シンジのクラスメイト達が写っている写真


*倒れていくリリス

巨大な羽根が次第にたたまれていく
リリスの片目を内側から破ってでてくる初号機
12枚の羽根を広げ、雄叫びをあげる初号機
仰向きに仰け反っていくリリス
首と腕がちぎれ落ちるリリス
青白い光が、地表をなめるように放射状に伸びていく
黒き月に縦・横方向に刻まれていく赤い線
次々と細かくなっていく赤い線
黒き月の赤い線からから赤い液体がしみ出してくる
リリスの腹部に黒き月から滴り落ちた赤い液体がたまっていく
風化するように溶けていくリリスの体
黒き月の周辺に集まっていた赤い光球が、弾けるように地表に四散する
地表に落下してくるリリスの頭部と腕

上にかぶってOFFでセリフ
カヲル:現実は知らないところに
    夢は現実の中に
レ イ:そして真実は心の中に
カヲル:人の心が、自分自身のカタチを作りだしているから
レ イ:そして、新たなイメージがその人の心の形を変えていくわ
    イメージ、想像する力が
    自分たちの未来、時の流れを、創り出しているのよ

(間)

カヲル:ただヒトは、自分自身の意志で動かなければ何も変わらない
レ イ:だから、見失った自分は、自分の力で取り戻すのよ
    たとえ、自分の言葉を失っても
    他人の言葉に取り込まれても


自らの口からロンギヌスの槍を引き出す初号機
量産機に刺さっていたロンギヌスの槍が発光する
腫瘍のように膨れていく量産機に刺さっていたロンギヌスの槍
量産機に刺さっていたロンギヌスの槍が、発光し消えていく
磔状態のまま凄まじい速度で落下していく量産機

上にかぶってOFFでセリフ
レ イ:自らの心で自分自身をイメージできれば
    誰もがヒトの形に戻れるわ


ユ イ:心配ないわよ
    全ての生命には、復元しようとする力がある
    生きていこうとする心がある
    生きていこうとさえ思えば、何処だって天国になるわ
    だって、生きているんですもの
    幸せになるチャンスは何処にでもあるわ

羽根を折りたたんでいく初号機
上昇していく光の十字架
目の光が消える初号機
光の十字架のようになって宙を漂う初号機

ユ イ:太陽と月と、地球がある限り...
    大丈夫


水滴が下から上に滴る


LCLの海で向かい合う、シンジとユイ
ユ イ:もういいのね...?
シンジ:幸せが何処にあるのか、まだ判らない
    だけど、ココにいて、生まれてきてどうだったかのかは、
    これからも考え続ける
    だけど、当たり前のことに何度も気づくだけなんだ
    自分が自分でいるために

シンジの頬をさするユイ
浮き上がり、だんだんユイから離れていくシンジ
LCLの水面へ浮き上がるシンジ
水面に仰向けに浮いているシンジ
レイの顔をしたリリスの巨大な頭部がまっぷたつに割れていく


[テロップ]つづく

2000. 2.06
2000. 2.22 裏26話Bのアップに伴いフッタ・ヘッダ相当部分を修正




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