本節では，フォントの入手についてご案内する。複数のフォントを入手できるものを選定した。有償のものについては，コストパフォーマンスが優れているものを選んだ。なお，Amazon.co.jp の当該商品のページを紹介しているものもあるので，必要に応じて利用されたい。

　ビットストリーム社が 2003 年に発表した“Vera”シリーズは，

• Bitstream Vera Sans（Roman，Oblique，Bold，Bold Oblique）
• Bitstream Vera Sans Mono（Roman，Oblique，Bold，Bold Oblique）
• Bitstream Vera Serif（Roman，Bold）

の 10 フォントからなっている。

　Bitstrem Vera シリーズは，GNOME のサイトから入手できる。“The fonts are now available here”のリンクから，ttf-bitstream-vera-1.10.zip（ZIP アーカイブ；拡張子 tar.gz の gziped-tar アーカイブもある）をダウンロードし，展開すれば，フォントファイルが得られる。

　URW++ 社が提供している PostScript Level 2 互換フォントは，

• Nimbus Sans L（Helvetica 互換；8 フォント）
• Nimbus Roman No. 9 L（Times 互換；4 フォント）
• Nimbus Mono L（Courier 互換；4 フォント）
• URW Gothic L（Avant Garde Gothic 互換；4 フォント）
• URW Bookman L（Bookman 互換；4 フォント）
• URW Palladio L（Palatino 互換；4 フォント）
• Century Schoolbook L（New Century Schoolbook 互換；4 フォント）
• URW Chancery（Zapf Chancery 互換）
• Standard Symbols L（Symbol 互換）
• Dingbats（Zapf Dingbats 互換）

の 35 フォントが収録されている。

　たとえば，SorceForge.net のプロジェクトから入手できる。ただし，このサイトの最新版は正常に利用できない場合があるので，過去のリリースにリストされている“6.0 (base 35, GPL)”とあるものをダウンロードして利用するのがよいだろう。

　アーカイブは gzip-ed tar なので，“+Lhaca デラックス版”などを利用して展開されたい。フォント形式は PostScript Type1 である。

　2007 年からレッドハット社が公開している“Liberation”シリーズは，

• Liberation Sans（Regular，Italic，Bold，Bold Italic；Arial 置き換え用）
• Liberation Serif（Regular，Italic，Bold，Bold Italic；Times New Roman 置き換え用）
• Liberation Mono（Regular，Italic，Bold，Bold Italic；Courier New 置き換え用）

の 12 フォントからなっている。

　Liberation シリーズは，Fedra Hosted のサイトから入手できる。“Downloads”の項にあるリンクをたどり，環境に合ったアーカイブファイルをダウンロードされたい。2009 年 6 月現在では，liberation-fonts-1.04.zip の ZIP アーカイブでよいだろう。

　独立行政法人 情報処理推進機構（IPA）のプロジェクト成果として，日本語フォントが無償配布されている。明朝体・ゴシック体の 2 書体からなる TrueType および OpenType フォントである。

• IPA ゴシック（等幅，プロポーショナル，UI〈UI は TypeType 版のみ〉）
• IPA 明朝（等幅，プロポーショナル）

　JIS 2004 字形版と JIS 90 字形版がある（OpenType 版は JIS 2004 字形版のみ）ので，適宜選択して利用されるとよいだろう。

　ビットストリーム社の欧文フォント 500 フォントを収録した CD-ROM 付き書籍。

　Futura，Folio，Century Oldstyle，Bauer Bodoni といった定番・オーソドックスなものをはじめとして，Swiss 721（Helvetica 互換），Zurich（Univers 互換），Humanist 777（Frutiger 互換），Square 721（Eurostile 互換）といった人気の定番書体の互換フォントを数多く収録している。ウェブでの画像化テキストでの利用はもちろん，日常のワードプロセッシングやデザインに，持っていて損はないフォント集である。

　フォントは CD-ROM に TrueType・Type1 の両形式で収録されており，Windows・Mac OS いずれでも利用できる。書籍は解説・見本帳になっている。

• Amazon.co.jp の“改訂 4 版 TrueType フォントパーフェクトコレクション”詳細・購入ページへ

　“DynaFont TrueType 600……”に並ぶ，コストパフォーマンスが高いパッケージ。欧文 3,006 フォントは“DynaFont TrueType 600……”と同じであるが，和文の収録内容が異なっている。Mac OS 用は別パッケージ。

　特筆すべき点は，見出し・ワンポイントに使用できる“デザイナーズフォント”を多数収録している点。ウェブデザインなどで威力を発揮するであろう。

　また，デザイナーズフォントを増量し，ビットストリーム社の欧文フォントを収録した（計 600 フォント）“Extra Pack 付き”（Windows 版，Mac OS 版）もある。このパッケージの収録フォントは，4,000 を超えている。

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　本製品は 32 ビット版 Windows Vista 専用。同社の主力書体から Windows Vista のメイリオ仕様準拠で 7 書体をパッケージしている。形式は TrueType。収録フォントは，

• リュウミン 3 ウェイト（L-KL，R-KL，M-KL）
• 新ゴ 3 ウェイト（L，M，B）
• ゴシック MB101 1 ウェイト（R）

　なお，メイリオ仕様のフォントは，旧バージョンのソフトウェアで扱えないものもあるので注意されたい。

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　本製品はアカデミック版の設定のみで，学生・生徒・教職員しか購入できない。アドビシステムズ社の，Myriad，Minion といった主力書体を含めた欧文フォント 400 フォントに，和文書体として，

• 小塚ゴシック Std 版 6 ウェイト（EL・L・R・M・B・H），Pro 版 2 ウェイト（M・H）
• 小塚明朝 Std 版 6 ウェイト（EL・L・R・M・B・H），Pro 版 2 ウェイト（L・B）
• 平成角ゴシック Std 版 4 ウェイト（W3・W5・W7・W9）
• 平成明朝 Std 版 4 ウェイト（W3・W5・W7・W9）
• 平成丸ゴシック Std 版 2 ウェイト（W4・W8）

が OpenType フォーマットで収録されている。詳細な収録書体リストは，アドビシステムズ社のフォーラムに PDF ファイルとして掲載されている。

　日本からは，通常のアカデミック版と同様に注文・購入できる。価格は 1 万円程度であるが，相場状況で変動することがあるので，注文前に価格の確認をするようにしたい。